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第215話

「なんだよ」 問われるけどあのままを言うのはちょっと恥ずかしくて黙り混んでしまう。 どうにも動けなくなっていると座れ。潤冬さんはそう言うと先に座ってしまった。 言われた通りにすれば、体を俺に向かせ、背もたれに腕を上げた。 「さっきのじゃ、まだ謝りたんねぇって?」 「えっ!」 「悪かった。お前には関係ねぇもんな。俺が誰を探していようと」 「あっ、ちがっ……」 「そうなんだよ。生徒会のあいつらだって、本当はそれぞれ事情があって、俺の兄探しに腐れ縁で仕方なく付き合ってくれてるだけなんだ」 「いや、それは」 「怒って悪かったな。あぁ、さっきお菓子をたくさん貰ったんだ、食おうぜ?ケーキとか早いうちに食わないと腐るだろ?」 「あ……」 潤冬さんは、俺にわざと話をさせないよう次々と被せる話し方で終いには別のことにすり替えた。 仕方なく付き合っているわけではない。 貴方だけが悪い訳ではない。 俺だって……… 言いたいことはその都度あったのに、他人の話しは聞きたくないと態度で示されてしまった。 やっぱり俺は、今も…… キッチンだと思われる扉の奥に消えた彼を、ただただ一人で待つしかなくなって、ぼんやり眺めていた。 戻ってきた彼は紙袋を両手にまた持っていて、順々に並べていく。 それを見ながら、あの袋の中は四次元なのか?止まらない手に今度はどんどん恐怖を感じた。 「………こんなにたくさん、誰に貰ったんです?」 「俺に、聞くな」 テーブルにこれでもかと並んだお菓子に、2人でどうしろと?呆然としたのは言うまでもない。 そして、俺は更なる恐怖を思い出した。 高橋さんから貰った手土産のお菓子が、冷蔵庫に入っていることを……

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