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第217話

「うわっ、お前どんだけ食ってんだよ」 ほかほかの炊き立てご飯並みに湯気を上げながら戻って来た潤冬さんの第一声。 してやったり!思いながらアイスをまた一口食べ扉の方を向く。 因みにこのアイスは一つしかなかっためたくたにお高いアイスだ。取っておいたに違いない。 「おひゃえひなはい」 「おかえりじゃねえ!冬眠前の熊か!?食い散らかして…って!それ、俺が風呂上がりに食おうと思ったアイスじゃねえか!!」 「ふへ?しひまひぇーん。さっひおひぇのほほからはっはひとのほほなんへ、しひまひぇーんぶふっ!?」 いい気味いいきみ!なんてニヤニヤしながらテレビでも観ようかなぁなんて余所向いた直後顎を力いっぱい掴まれグギッと無理やり顔を合わせられる。 食ったまま喋るんじゃねぇよ。聞き取りにくくてイライラする。 目の座った静かな声に冗談では済まされない。やっちまったと確信した。 「何が知りませんだ、ああ?これ以上ふざけた態度取ってみろ?殴るだけじゃ済まねぇからな?」 「っ」 「分かったら、黙って同じの買ってこい」 乱暴に顎から手を外され、逃げるように玄関に向かう。何故急にあんなに怒り出したのか分からない。もしかして、生理前なのではないだろうか? 考えながらふと目に入った彼のだろう財布をしめしめと握りバレないうちに駆け出る。 ここから一番近い店はどこだ? 財布と共に握りしめて来たスマホで調べながらさっきのアイスを探した。 夜だからか、ここが木に囲まれているからか、夏だと言うのにそこまで暑さは感じなかった。

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