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第222話『探る』
「くぁ…あ?もう起きてたのか?」
「あ。おはようございます」
「あぁ、おはよう」
ガチャとリビングの扉が開き、眠そうに欠伸しながら潤冬さんは起きてきた。
もう起きた…と言うか昨日同じベッドに寝てたのを忘れたんだろうか?自分の横にいなかったら起きたと思わないんだろうか?
少しばかり疑問に思ったけど寝起きにたらたら言って不機嫌になったらなぁ…とも思い、目が覚めました。とだけ返した。
「朝ごはん食べます?」
「ん……頼むか…デリバリー…」
「パンで良ければ、用意しますよ」
「じゃあそれで」
ボスッ
まだ覚めきっていないらしく、大胆にソファに腰掛けた潤冬さん。入れ代わるように今度は俺が立ち、今まで……いや、今朝まで使っていなかったであろう広いキッチンに立つ。
テレビは面白くないしやることもないし潤冬さんは寝てるし、でスーパーに行ったんだ朝早くに。
学食もお盆はお休みになるし2人でご飯とか夏休みでも目立ち過ぎて後が怖い。それなら野菜とか買って作れる準備をしよう!なんて思ったんだ。
冷蔵庫もでかい割りにジュースとかしか入ってなくて勿体なかったから目一杯買ってやった。
パンをトースターに入れ、ソーセージを焼いてる間にレタスと……あぁ、卵も割って……ジュージュー音がキッチンに響きいい匂いも部屋に広がっていく。
「お前、料理出来たのか!?」
もうすぐ出来るぞー。なんて時にソファで寛いでた潤冬さんが声を張って騒ぎ出した。
寝起きからそのテンションになるなんて、さすが会長をするだけあるな。
俺だったら声ガッサガサで裏返ってる。
温水にさらしたレタスをバリッと手で千切り、朝だし食べやすく全部パンに挟んでしまおう。
マヨネーズとケチャップを出しながら今ごろですか?返事をし、聞いていれば、寝起きで理解してなかった。
そう返ってきた。
「あ、やっぱり潤冬さんも寝起きはボーッとするんですね!ちょっと安心しました」
「まぁ……いや、それよりも!冷蔵庫にそんなの入っていたか?」
「これですか?今朝買ってきました!あ、なに飲みます?コーヒーとオレンジジュースと……」
ザクザク、おしゃれにパンを斜めに切って皿に盛り付けているとなんでか呆れたような張りのない声で、じゃあコーヒー……でもちゃんと返事はしてきた。
うん。やっぱり育ちは良いんだ。
頷きながらブラックと自分用に砂糖とミルクを2コ3コと入れ甘くし、お盆にのせた。
×××
朝食クッキング、完成です!
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