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第228話
急に叫ぶからびっくりした。俺のノミの心臓なめんじゃねえぞ!
前にも言ったけど俺の心臓は直ぐ止まるし、口から出すぞ!いいのか!?これは脅しじゃなくて、あの、あれだ!えっと、どれだ!!
良いからおどかすんじゃねえ!
プチパニックになりながら、でも潤冬さんの言ったことがおかしくて、口から出たのは笑い声だった。
「アハハハッ!」
「笑ってんじゃねえ!!」
「笑っちゃいますよ!だって、泣く子も黙る生徒会長が犬見て泣いてるんですよ!?アハハ!駄目だお腹痛い、いひひっ」
「るっせえ!!笑ってんじゃねえ!!どうせお前もげんめ――」
「アハハッ、潤冬さんも可愛い所あるじゃないですか!安心しました!」
「――――は?」
また何か被った気がするけどもう駄目。聞いていられない。今の話を聞いて改めてさっきの写真みたい。また笑って怒られそうだけどそれは仕方ないよね。だから許して欲しい。でもって一枚づつどっちが潤冬さんか聞きたい。
顔を見たら笑っちゃいそうで、なんでか動かない潤冬さんの首から下辺りを見ながらそろぉ…っとアルバムを奪いとろうと腰をあげたら、胸倉を掴まれグイッと引っ張られ、気付いたら口が塞がれていた。
え?どうして急に……?
ズレる眼鏡のした、訳が分からず瞬きする俺とは正反対に、目を瞑る彼の長いまつげが見えて、でも意味が分からなくて動きが止まる。
「はっ…なんなんだ、お前は……」
「ぷはっ!え、なんて?」
「なんでもねえ!おらっ、行くぞっ!!」
「うわわっ!?って、どこに!?」
「どこでも良いだろ!!」
口が離れると同時に机を周り、俺の腕を今度は掴んでズンズン扉に向かっていく。
つま先がつっかえて何回も転びそうになりながらなんとか着いて行く。
ちょっ、まっ!待って!せめてゆっくり歩いて!自分の歩幅知ってる!?俺の倍…は言い過ぎた。1.5倍あるからね!自称平均身長の俺の1.5倍あるんだからね!
必死に歩きながら、睨んでやる!!と見上げてまたびっくりした。
でも今度は心臓が止まるとかそういうびっくりではなく、目を疑う静かな驚き。
「耳、真っ赤……」
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