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第231話
「わわわっ!え、ちょっ、えっ!?」
どこ!?今、マジでどこ歩いてるの!?なんて思っていたらまた扉を開け、すると今度は目の前にどでかいベッドが現れた。
昨日とは違うそれになんでか嫌な予感がして、問いかけようとした次の瞬間、背中を強く押され勢い良くダイブしていた。
「乱暴にもほどが――ヒィッ!」
振り返らなければよかった。何故なら目の前には餌を狩ったライオン…いや、それよりも恐ろしい。野蛮な狼がいた。
昔読んだ生体の本に書いてあった。狼は狙った獲物をどこまでも追いかけ、一晩中駆け回ることが出来る。そして捕まえた途端、肉に歯を立て始めると。
そして幼いながらに理解した。
早さで敵わないと諦めさせ噛み付き息の根を直ぐに止める王者ライオンより、嫌な程時間をかけじわじわと近づき、捕えると直ぐに柔らかい腹の肉を食べ始める狼の方が恐いと。
その恐ろしい狼が、俺の目の前にいる。しかも逃げることも出来そうにない巣穴に捕まってしまった。
「ハッ、珍しく怯えてんじゃねえか。ここに来て処女気取りか?」
「ちがっ……」
「んなに怯えてっと、興奮するだろ?」
言いながらギシギシ音を立てて近づいてきて、次には縮こめていた筈の足をズルっと掴み出され破れそうな程乱暴に服を脱がされた。
「な、なんで急にっ」
「あ?そりゃあ……なんだ?あぁ、褒めてくれた礼?」
「褒めた覚えは一つもないんですけど!?」
「もうなんでもいいだろ?我慢出来ねえ」
「ひえっ!何もしてないのに臨戦態勢!ちょっ、待ってくだっ」
ピンポーン。
突然の音に思わず動きが止まる。こんなにタイミング良いことって現実にあるんだと感動するほどばっちりで、今がチャンスと潤冬さんの下からゆっくり逃げながら誰か来たみたいですね?声を掛ける。
「大した用じゃねえ、待たせとけ」
「え!?ちょっ、んんーっ!?」
折角上半身は逃げ出せたのに次の瞬間肩を掴まれ、ギュッと目を瞑れば口が塞がった。
色んなことが急に起こりキャパオーバーで思わずぬるぬる舌が絡まり、好き勝手に俺の口の中を暴れる。なんてBのL小説みたいなことを考えてしまった。息は上がり口が離れた時には眼鏡は見事に斜めにずれていた。
「続き、していいよな?」
「……ん」
眼鏡を外されもう一度目を瞑ると今度はさっきよりも大人しい態度で舌が触れて来た。
もう何でもいい。温かくて気持ちいい。手を伸ばして潤冬さんの背中に回すと布団の間に片手を差し込んで来て更に熱が寄る。はっはっと息を切らしながら必死にキスと格闘していれば軽々足を持ち上げ、後ろに性器を当てられていた。
抵抗がないと分かるとそのままグゥと押し込んできた。
流石にお腹の圧迫に耐えられず舌にも力が入ると顔が離れた。長い間吸っていなかったように思う外気の冷たい空気が気持ちよく肺を満たしてくれる。
「はっ、ぁ……」
「慣らしてないからキツイな」
言いながらグゥと押し込んでは少し引き抜いてを繰り返しジワジワと中に進んでくる。
狭すぎて無理やり動こうにもそれも出来ないのだろう。眉間が寄っていた。
「あ、くっ…はぁ……んあっ…んっ……」
「息詰めんな。中が余計キツクなる」
「は、だめ……」
「出来ないって?ハッ、こんな半端で止められるかよ」
「はぁ、はぁ……ぐぅっ!」
「いっ!爪立てんじゃねえよっ」
そう怒られても狭くて無理に出来ないの分かってるくせに力任せにしたからだろう。
今じゃなかったら俺もめちゃくちゃ怒ってるから。
「はぁ、マジいつもの三倍汗かいてる…」
俺だって!
そう言いたいのに呼吸するだけでもう精いっぱいで、この状況から早く抜け出したい。
一回引っこ抜いて今から慣らして欲しい。今日、この後立てる気がしない。
力の抜き方も分からなくなっているとヴーヴーとスマホが揺れた。
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