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第232話
無視を決め込んでも止まらない揺れに電話であることは確かだった。
仕方なく放り投げていたスマホに手を伸ばした潤冬さんは画面を見て、何も言わずに指を動かしサイドテーブルに置き直した。
マジか。今のはもしかして電源を切ったとかそう言うあれでは?
「招いてもねぇのに客が来た。10分待たせたからシャワーするぞ」
「え!?俺生まれたてのか弱いバンビでしかいられないんですが!?」
「知ってる奴だから気にすんな。つうか、か弱いは嘘だろ」
「いや、マジで足に力が!」
腕を掴まれ引かれ、どこかも分からない風呂場まで歩かされそうで叫んだら担がれた。
そう、まるで米俵のように!!
軽々何度も担ぎやがって!!
今度は担ぎ返してやる!でもってかったいコンクリートか浴槽に投げつけてやる!!
……のは酷すぎるから、可愛いチワワちゃんの前でこの格好付けの可愛い恥ずかしい姿を晒してやる!!
でもって幻滅した所で俺が一言いうんだ。
「スーパーマンレオンは俺のことだ――!」
「うおっ!?急に暴れんじゃねえ!落ちるぞ!」
「おっと。まだ肩の上だった」
スーパーマンの飛ぶポーズをそっと元に戻し大人しくする。
落ちたら痛い。下手したら突き指や骨折とかになるかも知れない。
仕方ないから担がれていてやろう。歩かないでいいのは楽だし。うん。
「で、スーパーマンレオンってなんだ?」
「っ!俺はスーパーマンデオン!!」
「おいっ!いちいち暴れんじゃねえよ!しかも名前噛んでるしっ」
「か、噛んだのはワザと」
「なわけねえだろ!嘘がヘタすぎんだよ!」
「俺が190センチ越えの屈強なスーパーマンになった暁には潤冬さんを成敗してやるからな!!今に見てろよ!!?」
両手で武器を持つ真似をしてバッテンに動かす。
悪霊退散!!うりゃ――!
「ああ、はいはい。頭のネジ飛んだな。しくった」
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