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第247話

「今日って、山の日ですよね?」 「あぁ、そうだな」 潤冬さんの部屋に来て5日目ともなればもう慣れたもんで、ソファに寝そべりだらけながら話をするまでになった。と言うか気にしなくなったよね。向こうもこっちも大体の性格を知っているからそれ以上も以下にもならない。 居心地がすこぶるいいかと言われたら…… めちゃめちゃにいい。最高。 だって、部屋は広いくベッドも大きくて、風呂は楽しい。 俺の好きなBのL本はないけどその代わりの本は大量にある。お菓子も山ほどある。 売るほどある。いや、俺のだから売らないけど。 「夏休み終わってもここにいたい……快適……」 「あぁ、そうだな」 「………え?いいの?」 「ん?お前、今なんて言ったんだ?」 熟読していた本から顔を上げた潤冬さんは怪訝そうにこっちを見てきた。 俺の話を聞き流していたらしい。まぁ、俺も適当なこと言ってたから本気には取らないけど。 「夏休み、終わってもここにいたい、なぁ……みたいな?」 「………」 「いや、冗談ですよ!?でも、部屋は広いしお菓子もいっぱいあるし、ソファはふかふかで……こんないい暮らし覚えちゃったら……」 絶対戻れない!贅沢は一番の敵だって、オラの心のばっちゃも言ってた!こういうことだったんだ! ソファから動きたくない、寝ていたいお菓子も食べたい。コーヒーに砂糖入れて欲しい。それが全部叶う。でもここから出てしまえば元の生活に戻ってしまう。動かないといけないお菓子はない。コーヒーはインスタント。 この生活が恋しくなって泣きそうだ。 夏休みなんて終わらなければいいのにぃ! 「好きな時に来いよ」 「え!?」 予想外の言葉に声が裏返った。 今、何て言った?? 俺の、聞き間違いではない???

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