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第263話
ツッキーに休みボケなんて言われて一週間経った。
もう夏休みカムバックなんて叫ばないし、授業の流れも思い出し、休み前の変わらない毎日に戻ろうとしていた。
今は放課後。本当はお昼休みにふらっと出歩こうとしたのだが、まだまだ残暑厳しく、校舎から出るのを諦めていた。
「はぁ……どうして生BLは近くにないんだろう」
想像では、どこもかしこもカプだらけのいちゃラブチュッチュ。教室、廊下問わずキャッキャウフフチュッチュ。林の影であんあんチュッチュ……だと思っていたのに。
チュッチュがないんだよ。どこにも!!
教室では、やれ腕相撲だテレビ番組の話だ、あー……チューチューバー?だのってなんにもない。恋バナしろよ!!あんなにチワワちゃんがいてなんでその話はしないんだ??
付き合ってる奴絶対いるだろ!冷やかしとか周り気にせずいちゃいちゃとか、少しはしろ!!
廊下で堂々と手を繋げ!同性愛者多いのみんな知ってんだよな??なんで慎ましやかな付き合いばっかしてんだよ!!
誰も文句言わな………いや、逆に秩序を守ってるのか?
どこもかしこもいちゃラブしてたら、ここで乳繰り合ってんじゃねえ!寮戻れ!って言ってるかも。雅さんどんな教育方針だよ!って怒鳴り込んでるかも。
俺の考えがおかしかった………?
ええい知ったこっちゃねえ!!俺は俺のままで生きるんだい!
羽葉はぶー垂れながらも校舎周りを歩いていた。自分の想像しているチュッチュを見つける為に。
「ん?なんか、声がする」
身をかがめ、声の方に静かに近づく。もしかすると、もしかするかも知れないからだ。
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