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第281話※
「んンッ、ふ、っぅぁ、んっ」
キスだけだと言うのに和民はじわじわと汗を滲ませていく。
どうしてか乳首をギュッ中に押し込められるとビクッと肩まで電気のような刺激が走る。
ビクッ、ビクッ!
知られたくないこの反応も二人きりの今では隠し通すなど無理な話で、桜渚はキスの合間に器用に指を動かした。
不規則にくるその動きに翻弄され、グリリと奥まで抉り次には労わり触れるか触れないかの瀬戸際で空気の様に優しく撫でてくる。
心臓もドキドキと脈は速くなっていた。
「ッんっぅぅ!ん、ぅぅ……ふ、ぁんぅ…っ!」
長いながい甘いキスにどろりを脳みそは溶けだして、次第に何も考えられなくなる。
舌を絡め、上顎を舐められ、上唇と下唇を其々に吸われ、くちゅっと唇が離れた時にはもう、理性などなかった。
「んぅ、ふ、ぁ、ぁ……」
残念そうに桜渚の唇を見つめるその視線は、熱に染まり淫らな涙に潤んでいた。
ぽてり、赤く濡れる和民の唇は次のキスを待ち、何度もねだるようむちゅむちゅ動く。
珍しい甘え方に嬉しそうに眺め、今度は合わせるだけの口付けをし、彼はそのまま顎や首、喉仏に鎖骨……とじっくり胸の方に降りていく。
ちゅっ、クチュ……
唇が下がるにつれ、和民の顎は上がった。
「あっ、ぁっ、っは……」
溜まらず声も上擦り、呼吸も早くなっていく。
その頃には桜渚の指も止まっていて、唇の触れた箇所だけに意識が集中する。
「はぁっ、はぁっ」
枕に頭を預け、首元やその少し下を強く吸われる度に背中は曲がり、逆に胸を突き出す体勢になっていた。
「はぁ、ぁ、ん、ンッぁ……」
ジンジンと下半身に熱が溜まり、重たく感じる中心部。
あぁ、早く触って……
焦がれ始めた頃、見計らったようなタイミングで乳首をパクッと口に入れ、ヂュルルルッ!勢いよく吸い、引っ張っるよう歯で挟む。
「ひあぁアアッ!!」
微睡みから現実に引き戻される強い刺激に甲高い声を上げ、ビクビクッと小刻みに体を痙攣させ、その後もビクッ、ビクッ、と腰を震わせた。
「はっ、ハッ、はぁっ、ぁぁっ……ぁ、はっ……」
「わたみ」
静かに声をかけるも、今だ顎を上げ舌をツンと伸ばしたまま浅い呼吸ばかりを繰り返すので精いっぱいだった。
どうしようかと少しばかり考え、落ち着くまでこの赤く染まり始めた乳首を舐めて撫でて労わり待つことにしよう。
名案だと思っている桜渚は、理性を取り戻しつついた。
しかし、この選択は和民にはなんの名案でもなく、只々身を捩り泣くしかない快楽地獄の序章にすぎない。
乳首の開発に、一歩足を進めた2人であった。
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