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第283話※
ぐぷっ、舌が奥まで入るようになって漸く満足したのか桜渚は穴から顔を離した。
自分の上唇を舐め、今まで舐めていたそこをじっと眺めた。最初よりも赤くぽってり膨らみ柔らかくなった印象だ。
「えろ……」
この赤く濡れるここを、まだまだ責めたい欲求に駆られ、チュッと音を立ててキスをするともう一度舌を伸ばす。
けれど自分の舌だけではこの穴を制覇出来ないことを知っている。ならばと、足から腕を一旦外し、指の腹でその柔らかさを確かめ、熱を感じながらじっくり中に押し進んでいく。
熱中し過ぎて耳に入っていなかったのだが、和民はずっともうやめて、ゆるしてと力なく懇願していた。
舌が離れ安堵したのも束の間、指を入れられ、今までの柔らかさと違う硬くどこまでも進んでくる感覚にお腹をビクビク震わせていた。
「んんんっ、ぁ――……」
お腹に力が入り、体が勝手に丸く縮こまる。
細い指はそこまで異物感はないが、何度もなんども中を確かめ撫でるように入ってきては出てをされ、なんでか息が上がっていく。
穴の中でくるっと指が回転し、背中からお腹側を今度は撫でられる。
桜渚もまた、体が縮こまったおかげで和民の声が近くなり、喘ぎが耳に入ってくるようになったのだ。
時間をかけて中を指の腹で撫でると気持ちよさそうな安堵した声が聞こえて心地よい。
「ぁ、は……ンン、ぁぁ……」
声を抑えることを止めた和民は気付いていないだろうが、桜渚は今までにないエロさにやられ、逆上せ、鼻血を出して倒れてしまいそうだった。
もちろん自分の性器もガチガチに硬く、今すぐこの穴に嵌めて奥まで壊すほど突きたいとも思う。だけど、和民の今の状態をまだ見ていたい欲にも駆られ、だから止めずにいた。
「はぁっ、はぁっ……」
息が上がっていくのを自分でも分かって、感じたことのない興奮に更に鼻息は荒くなっていく。
「はぁ、わた、み……」
「ん……すすぐくん、きて」
ギラギラと獲物を見るように鋭い眼差しで見上げた彼に怯えることなく和民もまた、瞳の奥をピンクに染め、両手を伸ばして捕食を望んだ。
「あっ!んんン――ッ!!」
熱く硬く、今までにないほど質量を増した性器を柔らかく膨らんだそこに当て、一気に突き立てる。そのまま桜渚は和民に噛み付くキスをして、それこそ悲鳴ごと全てを食べ尽くしていく。
終わりの見えない行為は、長年探していた彼の思いだ。
積み重なったそれを伝えきるには、いったいどれだけの時間が必要になるのか、今は誰にも分からない。
嬉しくもあるが、和民にはそれがやはり怖くもあった。
まぁしかし、彼から与えられるなら、耐えられるのだろうと抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。
×××
貴方とならば、越えたいと思う。
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