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第6話
あのあのあのあの!!!
もーしかして貴方様は、入学式が終わりひと息吐いていた4月半ばに突如として現れた編入生の案内役にどういう訳か使命され嫌々ながらも理事長には逆らえないから仕方なく本当に仕方なく引き受けるしかなかった生徒会の方では??早口になったけど思ってるだけだからいいよね。
本当は声を大にして聞きたい!でも聞けない!
でも聞きたい!!副会長様ですよね!?って聞きたい!!!
王道学園を生体験したい!!!
「生体験……?なんだろう。もしかして、入学前に行う見学のこと?」
……おいおい、なんで副会長(仮)様が俺の心の声に反応しているんだよ。
いやいやまさか、それはない。ただの幻聴。
だって目の前にいる副会長(仮)様は、綺麗な王子様だし。
俺の知ってる副会長様はこんなに王子様じゃない。でも王子様だから民の心の声も聞こえるのかも。
「たみ…?王子様じゃないけど、この学園の生徒会副会長はあってるよ」
いやいやだから。なんでまた反応が返ってくるんだ?俺も確証のない見解にまさか俺自分で答えてる?え、キモッ。
「確かに」
「え?」
「どうかした?」
突き刺さる氷柱のように鋭く冷たい声で「確かに」って聞こえて誰?って顔を上げると目の前には綺麗な王子様がいるだけだった。
菩薩王子様があんなに冷たい声なんて出すはずない。
「あの、俺、貴方のこと知らないのですが…」
「? 知らないのに、どうして私が副会長だって分かったの?」
「ぅえ!?俺、知らな…え、副会長なんですか!???」
「さっきからそう話してたと思うんだけどな…」
てことは!まさかの!!!
心の声漏れてたーーーーーー!こんな王道は体験しないでいいよ、俺。
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