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第17話
るきってなんか言いにくいな!それにお前、きたはって感じしないし。
間取って“ハル”ってどうよ。なんか俺だけの名前って感じしていいから決まりだ。
なあ、いいだろ?ハル
何で思い出しちゃうんだろう……
「あの、ダメでした?先輩ってなんか季節の春みたいに柔らかい感じで合ってるなって思って」
何も反応しないでいたら羽葉君が心配そうにしていて、慌てて「ハルでいいよ」と返してしまう。
貴方だけの名前じゃなくなっちゃった……
「羽葉君、編入したばかりなら俺なんかといるより、荷解きとか色々やることあるんじゃない?大丈夫?」
「羽葉君なんて他人行儀で嫌です!玲音て呼んで下さい。ハル先輩」
「ふふ。会ってまだ数分なのに凄いね、玲音君」
「え!何がですか!?俺、図々しかったですかね!すみませんっ」
「ううん。玲音君が羨ましい。何でも思ってることが言えて」
「あ…いえ…」
何も臆することなく感じたままに言える彼が羨ましい。俺も彼のような性格だったなら、こんなに悩むなんてこともしないで良かったのかな…?
今更どうしようもないんだけどね。
そう思っていたら、またため息が出てしまった。
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