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第27話
「俺の想像なんて、ちんけなもんだった!!」
「え、え、ちんェドゥフッ!」
言い切る前に華麗なスイングでスパーンと頭を叩いた。
広く長いここで良く響き、近くを歩く何人かが驚きこっちを向いてしまう。
騒がしくしてすみません…。
「ヒロ、次陽向 の前でそんなこと言ってみろ。燃やすぞ」
「なにを!?惺士 のツッコミ毎回痛いねん!怖いねん!」
「だろうな。いつも本気で叩いてる」
「その本気はいらーーん!!」
前髪に3本、金メッシュを入れた赤髪の関西弁は天を仰いで嘆いていた。
何がちんけだったのか。俺が今誰といるのか。
どこに向かっているのか。答えはそう!
「玲音、着いたよ」
「早いと人もあんましいてないなぁ」
「4名様ですね。こちらへどうぞ」
学食と言う名のレストラン!マジレストランじゃん!そして、毎回いるドアマン?店員さん?案内人?こういう時ってなんて言うのか誰か教えて欲しいんだけど。気付いたら4人掛けの席に案内されてて、慣れてる3人はメニュー表を広げてた。
「タッチパネルじゃないんだ?」
「ん?タッチパネルって、安っぽくね。居酒屋じゃあるまいし」
「なんや惺士、居酒屋行ったことあるん?おっさんの仲間いりぃ」
関西弁の言葉にちょっと前に連れて行ってもらったんだ!声を大にした。
それにまたからかうよう犯罪や思たけどおっさんは大丈夫やねぇ!いったあ!まぁた叩いて!と2人とも遊んでいた。
「玲音は、タッチパネルが良かったの?」
「え、あ、いや。王道はタッチパネルだったから」
「おうどう…?」
「あ!ううん、何でもない!それより何にする!?」
安い居酒屋……その言葉に俺の中の王道学食レストランの概念がガラガラ音を立てて崩れた。俺も膝から崩れ落ちそう。
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