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第33話「初登校!」
失礼しま、うん。失礼しました。
「うおぉ…び、っくりした。なんか、いい匂いとキラキラで溢れてたぞ?なんだ、ここ」
見上げ室名札を確認して、うん。やっぱりここは職員室だ。間違ってなくて安心した。
で、もう一度中を覗く。
ガラガラ…ピシャンッ!!
今、見たままを話そうと思う。
手前から、優しい感じの美形・眼鏡が良く似合うドSな感じの美形・太陽と白い歯が似合う体育教師だろう美形・ホスト辞めてここに来ましたって感じの美形。
もう一度だけ見上げて、うん。何度見てもここは職員室だ。
想像はしてたけど、これは想像以上だよ。興奮より直視できない照れくささと緊張が勝って心臓ドキドキしてる。美形を間近で見ると心臓に悪いって、こういう事か。
マジ、心臓爆発する。
「でも俺ははい、ぅぶっ!」
「あ?なんだお前。こんな所で何してんだよ」
扉を開こうとしましたらその前に勝手に開いて出てきた人がぶつかって来ましたとさ。めでたしめでた…はい。美形ホストが上からこっちを睨んでるんだぜ!
「あの、何を言いますか、今日からここに通う、羽葉です」
「あ、お前が丸頭眼鏡の!うちのクラスの編入生!」
なんだこの美形ホスト。ちょっと顔が良くて身長高くて腰に来る低い声と甘い香水が似合うからって失礼極まりないぞ!
俺も仕返しに名前間違えてやる!
「じゃあ、貴方が担任のツキギメ先生ですか!どこかの駐車場のことを言われたかと思ってました!」
「ああ!?俺の名前は月極 だ!担任の、しかも俺の名前を間違うとはいい度胸じゃねえか。もしかして、足腰立たなくなるくらいお仕置きされたくて、わざとしたとか?天才羽葉 玲音くん?」
「お?」
やっべえ!喧嘩売る相手間違えたぜ!と言うか、お仕置きなんて冗談キツいぜ先生。
しかもフルネームで呼ばれたぜ!元ホスト(仮)はお客様の情報は忘れないってか!さすがだぜ!
「すんませんしたああ!」
「ぶはっ!なにマジになってんだよ。冗談だ、じょうだん」
「……」
「それとも、本当にお仕置きが欲しかった、とか?」
おいっ、ちょちょちょっ!まっ!
でかい身長に急に迫られてエビぞりに後退る。
こんな展開は小説だけでいいってっ!ちょっ!まっ!
「わっ」
「あぶねっ!」
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