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第42話
「おい、眼鏡」
「…はい」
「お前が羽葉 玲音なわけ?」
「…さようでございます」
うっわ。
俺の答えにそう言ったジャイアニズム野郎。うっわのあとに繋がる言葉を教えてあげよう。
うっわ、マジでお前なの?
瞬時に行きついてもう、俺も菩薩様顔だよ。心は無だよ。悟り開けそうだよ。
「本当にこいつなわけ?篠田と知能の低そうな喧嘩してたこいつが、満点野郎?冗談やめろよ」
「えー?でもじゅんじゅん今自分で確認したじゃん。なのに疑うのぉ?ね、あやち」
「ん」
「どいつもこいつも口答えしやがって」
明らかにイライラしてる。彼ら以外の生徒は固く口を閉ざしどうなるのかと見守ってる。
彼らが中心となって時が回っているみたいだ。凄く居心地悪い。
「なーんや、誰か思ったら会長さんや」
「篠田、その眼鏡の名前は」
「名前もなんも今自分、聞いとったやろう。羽葉 玲音なんかぁ、て。やし、こいつは玲音や」
「……チッ」
大翔すげぇ!!この空気をモノともしない感じ尊敬した。でもジャイアニズム野郎にそんな言い方して大丈夫?え、と言うかなんで大翔は親しげなの??
「ひ、大翔、会長さんと知り合いなの?」
「あれ?知らんの?俺、生徒会の役員やで」
「……マジか」
俺らの中で一番やばい奴じゃん。惺士も陽向も人気あるし大人しくしておこう。とか思ってたけど、生徒会の人とか。下手したら俺、恨まれるポジションじゃん。
会長と親しげに話してるし大翔って実は隠れファン多いパターン?これマズいよ。王道行き過ぎじゃね?
影ではこう言われるんだ「クラスの人気者を侍らせていい気になってる編入生」って。
誰も俺を見なくなって、ハブられて、いるのにいない。みたいな存在になって…
そんなの、もう………
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