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第46話

「うわ、眩しい…ん?」 腕の下に紙を見つけて、陽向たちが起したけど起きず、用事の為に帰ってしまった事を知る。 爆睡してごめん。謝って横を見れば、大きい窓から目いっぱい差し込む夕日に目が眩む。 こんなにオレンジ色じゃなくてもいいじゃん。なんて言うの?教室がオレンジ色の海に浸かった。的な? 「俺って超ポエミーじゃん。なんか、ここだけ俺の世界みたい…あ。なんか今のもポエミー」 「まだ誰かいんのか」 「っうわ!」 急にガラって音がして、声を掛けられて、心臓が口からちょっと出た気がする。全部出てたらお前の所為にしてやる! 意気込んで、バクバク跳ねる心臓のまま勢いよく振り返って、今度は心臓が止まった。 「しゅん…」 「あ?んだよ。お前かよ」 「あ。生徒会長さん」 「つーか、今なんか言ったよな?なんだよ」 「え、あの、いや、なんでもっ」 ズカズカ教室に入って来て、緊張に焦る俺の胸倉をギュッと掴み上げた。 「いっ」 「お前さぁ、んな冴えない顔して、俺より頭いいとかマジなんなの。ムカつく」 「っ」 手首を回して持ち上げてくるから、首が詰まって苦しい。なんでこうなったのか全然分からないし、必死に放してもらおうと腕を掴むけど、俺と会長さんの力の差なんて目に見えてて、意味なんてない。 「へぇ、いい顔して泣くなぁ?おらっ」 「ぅあっ!っ、ゲホゲホ…」 床に投げ飛ばされて机がガチャガチャ音を立ててずれる。なんか、イヤなデジャヴ。 「もっと泣けよ」 「や、んンゥ――」 真上から口を手で塞がれ、きつく締めていたネクタイは一瞬で簡単に緩められた。 抵抗しようにも口は塞がれ手は外れず馬乗りされて足も意味はない。出来たのは爪を立てるくらい。 「はっ、いてぇよ」 「ンウッ!」 逆にその手も噛まれて、突発的な涙が飛び出る。 もうどうしたらいいかわからない。

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