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第53話
「あつ、い…」
昨日こたつで寝たんだっけ…?いやいや、いくら寒いからってもう4月後半だし…俺、どこで…
思い出せずにいるけど目は覚めてきた。眼鏡もまだかけてないからぼやける視界の筈なのに目の前は肌色だった。オレンジとか白とかでなく、肌色。
俺の腕よりちょっと茶色いような。と言うかこいつ、動いてるぞ…?
「ぅ、あちぃ…」
「え、えっ、っ!!」
動いた肌色。
バサッ!音と一緒にかけ布団が剥がされ、やっぱり人だった。なんて呑気に出来たのはほんの一瞬で、会長さんじゃん!飛び起きそうになってでも足に何か巻き付いてるしお腹の辺りにも重りもとい腕が乗っかってる。
と言うことは巻き付いてるのは会長さんのあ…考えるのを止めた。
「さわが、し…あ?なんでお前…あぁ、きのう…」
「……」
オーケー、俺。落ち着け。大丈夫。3、2、1。
「ふぅぅ…」
「くすぐってぇよ、おらっ…」
「ぅゎっ」
折角人が落ち着いて深呼吸しているというのに、寝起きの悪い会長さんは呟いて俺の後ろ頭をわしゃわしゃかき回してまだ寝ようとする。
待って。なんで上なにも着てないの?裸族なの?もしかしてまさか…あ、下は穿いてる。良かった。
「ってそうじゃない!」
「くそ、さっきからうるせぇ、んだよ…」
「っ!ぅぅっ」
今度は頭を器用に枕に抑えつけられてビビる。本当はもう目は覚めているんじゃないかと疑ってしまう。
「…あー、まだ寝たりねぇのに」
「ふごふっ!うっ!」
「うるせぇな。なんだよ」
「ふごっ…はあ!やっと起きました!?」
「うるせぇ、起きてるよ。見りゃ分かんだろ」
ごもっともだけどこの状況分かってます!?俺の足に未だに貴方様のお足が絡んでいるんですよ!?この状況はBL小説か漫画で読むだけで良かったのに自分で体験しちゃってる朝チュンてやつですよ??
分かってます!?俺は分かりたくないです。でもって思い出したよ。夜中に目が覚めて水飲んで、自分から抱きついたってね。うがー!恥ずかしくて消えたい!ここから今すぐ消えたい!
あれ?そういえば、ここ、どこ?
会長さんは仮眠室って言ったけど、場所、どこ?寮?
……え?
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