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第57話

あの、すみません。 申し訳なくて、つい言葉が小さくなってしまう。でも、今の話しを聞いても俺には全く当て嵌まっていないから仕方ない。 「違う?そうか。私も浮かれすぎて見当違いをしたのかね。すまない」 「いえいえ、良いんです!俺は話聞けて良かったですから」 「私も楽しかった。そうそう、話に夢中で名前を聞くのを忘れていたんだ。私は高橋。ここの長を務めています」 やっぱり偉い人だった。高橋さん。将来働くならこう言う人の下がいい! 憧れの上司って感じで凄くいい!話し方も動きも格好よくて、真似したいし出来れば高橋さんみたいになりたい。 「俺は、一年の羽葉玲音です!宜しくお願いします!」 「羽葉君は元気でいいなぁ。私も元気を貰えるよ」 「そう言ってもらえると俺も嬉しいです!」 ルンルンでいたら少し待っててくれと言われ、高橋さんは休憩室から出て行った。 暫くすると何か持っていて、甘い物は好きかい?問われた瞬間に大好きです!と答えると手のそれを渡されて、プリン。今日のお礼に持っていって欲しいと言われた。 「プリンッ!昨日食べためちゃうまパフェにのってた!あのプリンですか!?」 「あはは、めちゃうまパフェか。やっぱりいいね。羽葉君のこととても気に入ったよ。是非、またここで話し相手になって欲しい」 「え!またここに来ても良いんですか」 「もちろん。君なら大歓迎だ。表からは入り辛いだろう、私たちも使う裏口でも良ければ次はそちらから入ってくれ。他の者にも話しておくから、遠慮なく入っていい」 マジすか!現場の裏って感じでめっちゃテンション上がる!高橋さんいい人だしきっと働いてる人もいい人に違いない!次はいつ来ようかな! 明日?明後日?今日の放課後?……今日? 「あ!今日も授業あるの忘れてた!高橋さん、裏口ってどこですか!?」 「私こそ引き留めてすまなかった。ここを出て左に進み突き当たりを更に左に曲がるとある。寮はそのまま真っ直ぐ進むと見えて来るはずだっ」 あわあわっ 残ったコーヒーを一気飲みして、貰ったプリンと服の入った袋をギュッと握り、言われた通りの道を走る。 「本当に、皆同じことを言うねぇ」 ××× この後、陽向に超心配された

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