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第58話
「……ここは誰!!俺はどこぉおお!!?」
「るせぇっ」
「オブッ」
ちょっと。ほんのちょこっと叫んで上半身だけ起こしてた俺に鉛?重り?ラリアット?もの凄い勢いで棒が当たって来て布団に不時着した。いや、これ事故だから。事件簿だから。じっちゃん呼んでやるから。
なんかこれ最近にもあったような…まさかな?なんて安易に横を見てあれ?おかしいぞ?
「ひろ…」
いや、違う。大翔じゃ、ない!真っ赤い髪の毛に一瞬安心しかけたけど、大翔じゃ、ない!!
だって大翔はピアスしてないのに、この真っ赤い髪の毛の人はピアスがこれでもかと言う程付いてるし寝てるのに指輪とかしてるし香水くさいし真っ赤い髪の毛だし!
泣いていい?誰か助けて。
「うっせぇ、イラつく」
「ひえっ」
いきなり話しかけてくんなぁ!!俺のノミの心臓なめんなよ!?直ぐ口ら出るんだからな!?いいのか?今すぐ出すぞおらぁ!!……はーい。噓でーす。
心の中が荒れすさんで異常をきたしているとモゾと隣の人が頭を抑えうつ伏せから起き上がる。
「くっそ、頭いてぇ…お前…」
「ひゃいっ!」
なになになんだ!?なんだ!?
俺はさっきのちょっと叫んだ以外もう何もしていないぞ?ノミの心臓は未だにバクバク煩いけど、それ以外はもう大人しくて借りてきた猫だから。
でも生唾のむゴクって音は煩くても許してほしい。この音だけはどうにも出来ない気がするから。
「……誰だ?」
「………え」
「は?」
「……え」
見つめ合うと、素直にお喋りできな…いやいやいや!これはそう言うんじゃないから!
は?じゃないよ。俺がは?て言いたいしマジ貴方誰?なんで俺ここにいるの?
どういうことなの?
なんで真っ赤髪の毛の人がさっきから驚いてんの。ビックリなんだけど。
と言うか待って。俺、一つ気づいちゃったんだけど、この風貌で香水ってさぁ…
不良、さん…ですか?
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