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第59話
いやいやいやいやまっさかこの超金持ち学園に不良がいるわけないって!何思ってんの、俺。おっかしいわぁ。笑える。
「ふぅ…」
「ってそばからヤニを吸うんじゃねぇ!」
「うおっ!?っにすんだてめえ!!」
「ふひょうっ!ごめんなさい!手が勝手にっ!」
急に煙たいななんだよ。ってそっち向いたら真っ赤い髪の毛の人は煙草咥えてるしスマホ弄ってるし気付いたら取り上げてた。自分で自分に驚いてるしよく見たらめっちゃ目つき悪いし、でも既視感あるしなんか怖いけど怖くない。
……なんでだ?
「お前、さっきからなに?なんで俺の部屋いんの?」
「いやいや!俺がそれを聞きたくて!」
「つうか、ベッドにいるって事は、俺とシてえわけ?」
「うわっ!マジで!?」
気付いたら馬乗りされてた。え、俺今年本厄だっけ?
「抵抗しないんだ?」
「いや、します!!止めて下さい!!俺たち初対面ですよ!!」
「んだよその頭の悪い説得。ウケる」
「ウケてる場合じゃあない!」
俺の悲痛な叫び空しくシャツを開かれ指輪ギラギラの手が肌に直接触れて来る。
ひえっ!冷たいっ止めて待って!両手でグッと押すけど、はい無理ぃ!力はやっぱり勝てそうにない。いよいよヤバい事態だ。
「なまっちろくてほせぇ体だなぁ。全然そそらんねぇ」
「そのまま止めて下さい!」
「は?無理。もうこんなんなってるし」
「うひっ!」
ゴリッ
同じ男なら分かるそれをまさかの押し当てられ、なんでそそられないのに立ってんだよこの野郎赤毛野郎サルかお前は!サルサルゴリラ!赤毛のゴリラ!心の中で暴言吐きまくり。
がばり。口をでかく開きながら近づいてくるゴリラにもう無理厄年ごめんなさいっ!ぎゅっと覚悟する。
「グフフフッ!雪 くんがいけないことしてるのみーちゃってる」
「「……」」
「むふっ!無言で見つめてるとか、オレ照れちゃうし」
なんか急に現れたんだけど、なに?え、座敷わらし?
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