「クソ、お前といると調子狂う」 内心で舌打ちしてガチャッと目の前の箸を掴みとり喉の奥の何かを腹に押し込むようハンバーグを口に詰め込んだ。普通と言ったそれも、今はたいして味もしない。でも、悪くはないと感じた。どうしてなのかは考えたくない。 「失礼します」 丁度よく声が響き「あ！パフェ来た」それこそ嬉しそうに言いながらドアに駆けていった。 なんでこんなガキ、ここに入れてんだか。見た目も行動もまんまガキで、なのに成績はよくて、他人に敏感で…… あの時は終わらない分からないが積もりつもってらちが明かずにいた。 たった数日での引き継ぎ、前役員も今は学園に居ない。頭を抱えるしかなく、毎年こうなのかと鬱々としていた。しかし、そんなことは一般生徒に関係なく外に出ればキャーキャーと子供の様にはしゃぎ声をかけてくる。 こんな幼稚なやつらが将来何を担えるのか。 イライラと早足に校舎を進み、気付けば校舎裏の林の中にいた。静かにぬける風に次第に平静を取り戻し、ふと、俺もあいつらと同じだったと、今、上に立って漸くお前の気持ちが分かったと足を止めた。 なぁ、お前はどこに居るんだ？そこまで行き着いて考えるのも止めた。 その矢先に見つけたのだ。 「おい、満点野郎」 「ふぁひ」 「……食いながら喋んな。ガキか」 言ってやると分かりやすく怒りだし、自分にもこいつにも嫌気がさした。 なんでこんなやつ…上手くいかねぇなあ、本当に。 「会長さん、もう楽しくなくなったんですか？」 「あ？なんでだよ」 何言ってんだこいつ。今だって楽しくお喋りして飯、食ってんじゃねぇか。なのになんでそんなこと言いだしてんだ？意味が分からん。 「なんでって…自覚ないんですか？口調がきつくなってます」 「はあ？口調がきついってなんだよ。俺の何を知ってんだ、お前」 「でも会長さん！」 「でももだってもねぇ！たった数回会っただけで何が分んだっ！どいつもこいつも表面だけ見て好き勝手言いやがってうぜぇんだよ、何が会長様だ！人の気も知らねぇでイライラすんだよっ！お前ら全員ころ、むぐっ！？」 「会長さん！それは言っちゃダメですっ！！」 飛びかかって、こいつは俺の口を両手で押さえた。 馬乗られ見上げた髪の隙間から見えた顔は、今にも泣き出しそうだった。