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第84話※
「ァッあっ、ぃ、んん、ふぅっ」
なにされてるわけでもないのに、揺すられる度に声が抑えられない。それどころか腰を掴んでいた手がお尻に食い込んでも外すどころかもっと奥まで…なんて思ってしまい、しかも言ってしまいそうで、袖を噛んで堪える。汗なのか涙なのか分からない雫が声といっしょに手を伝って流れた。
んンッ、激しっ……
「は、なんっ、だっ!また両方いっぺんに、して欲しいか?」
前のアレを鮮明に思い出してしまい、途端、腰がぞわりと痺れ足は勝手に閉じようとする。
今も尚食い込む指は偶然でなく、中を弄ろう拡げようと企てワザとしているのだと気づいてしまった。
口を押さえる手をもう一方の手で握って、変なことを言ってしまわないよう自制するけど頭の中はもう物足りなさで埋め尽くされそれこそ意味のない考えに思えてしまう。
「ふっ、ふぅ…」
「俺の指で…いや、お前お気に入りのこれで尻ン中突き上げて、何回もイキたくねぇか?」
「んンッ!はっ、ゃっ」
震えて力も入っていなかった手を口から剥ぎ取られ、言えよ。キツイ言葉と期待の視線。ダメ。ダメなのに…そう思うのにあの感覚が良い思い出みたいに蘇ってきて体が疼いている。
「はっ……きた…」
「なんだ。聞こえねぇよ」
「ぃ、きた…おく、突いて…」
「あぁ、仰せのままに」
合わせるだけのキスをされ、掴まれていた手を解放すると潤冬さんは俺のベルトを外し、腰から下着の中に指を差し込んでそのまま下ろしてきた。ゆっくりの動作に擽ったいようなもどかしい感覚にびくびく震える。
「ん、ふぅぅ…」
「脱がすだけで感じて、期待してんだな」
「ちがっ」
「嘘つくなよ。腰、上がってんぞ」
違う。違うのに。
言われたように腰は上がってるし早く脱がせて欲しくて足も動いてる。でも、期待なんかしてない。
「いいか、今からこれと同じ指がお前の中に入って拡げるからな?」
「みせなぁ…ぁぁっ!」
3本指を立てて見せつけてきて、でも目をそれ反らせず、そしたらもう片方の指が突き立てられた。掴むものが欲しく目の前のそれを握って、体も預ける形をとる。
羞恥も何もかもすっ飛んで、既にあっあっと言うことしか出来ない。
「まだ指なのに、もういいのか」
「ぁっあっ、んぅ、は、ァッて、きもちっ」
俺の掴まえた手が顔を撫でて、温かい人の体温が伝わりもっと近くに欲しいと体を寄せる。次にはするりと抜け出られ、耳の脇を通り後頭部に回され潤冬さんからも応えてくれた。
「泣いて嫌がってたのが嘘みてぇだな」
「は、あっ!もっと、ゆっくり…」
「それは聞けねぇは」
ずちゅっぷぢゅ、障害もなく上下を早い動で擦る指にそこの感覚も薄れジリと熱に焦がれる。もっとゆっくりして欲しいのに今も良いと思ってしまう。もっと言えば、本当は指でなく、前の時みたいに…なんて気持ちに焦がれていたけどバレないで欲しいと願った。
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