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第92話
悲報。
槇野君はオムライスを食べない。代わりに陽向とオムライス、頂きました。天使。マジ天使な組み合わせに俺はまたいい夢を見て眠れそう。ありがたやありがたや。
でもって、吉田さんの好感度はめっちゃ上がった。綺麗なお兄さん、俺、好き―――!
「いつの間にウエイターと仲良くなったんだ?」
「僕もそれ気になってた」
「ん?あー…まぁ、ちょっとね!」
「えー、そのちょっとが知りたいのになぁ…」
くっ、玲音は40のダメージを負った。やっぱり天使は強いな。純粋な攻撃が一番聞くとBLの神も仰っていた。
無垢ほど手が出せないと…
「槇野にも教えてやれよ!一週間で強者と仲良くなる方法!」
「強者!?俺、そんな危ない人と仲良くなった覚えないよ惺士!無理怖い!!」
「冗談言うなよ。月極先生とか生徒会とか、あとはいいんち」
「小城 君、もしかして僕のことも言おうとしてないかい?その強者の一人に」
うおお。凄い。委員長が急ににゅっと現れた。タイミング良すぎて感動したけどなんだろう。盗聴器でも付けてる?生徒会の時もそうだけど、なに?俺のスマホに細工でもされた?それとも本当に偶然なの?神?委員長になるとグルグルマップみたいに全生徒の動向を知れるようになるの?え…マジで?
「あ、いや、えっと……なんだ?色んな人と仲良くなれていいよなって事だから!」
苦笑いでアハハと笑うとサッとご飯に集中し始めた。なるほど、瞬発力と集中力を部活で鍛えたんだな。日常に活かせるなんてスポーツマンの鑑だ!俺には無理だけど。
「まあ、しかし羽葉君のコミュニティ能力の高さは僕も感心するよ。ウエイターと仲良くなる生徒なんて今までいないんじゃないかい?」
「ぅえ!?いや、一人や二人、三人くらいはいるんじゃない?」
と言うか俺は委員長のこの自然に同じテーブルに座ってご飯を注文する馴染み方のが凄いと思うんだけど。
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