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第93話

生徒会と言えば、切り出した委員長は唐揚げをつついてから口に入れた。え、その唐揚げまだ動くの?ちょっと気をそらしていたら、だって知ってる?と重要な部分を聞き逃した。絶対今のつついたのワザとだ。良い部分をワザと聞かせないで一人だけ置いてけぼり食らわす意地悪なヤツだ。せんせー!委員長が玲音君にいじわるしてまぁす!って言うヤツだ。 それで、生徒会がなんだって? 「委員長!俺聞き逃したからもう一回言って!生徒会がなんだって?」 「あ、君と槇野君は来たばかりだから知らないと思うけど…いや、逆に良く知ってるのかな?」 「何を?」 「今の生徒会の人って去年の暮れまで頻繁に町に降りてたんだけど、一昨日からまた始まったんだって」 ん?それの何を俺と槇野君が知ってるって? 顔に出ていたみたいで委員長は分かってるから焦らないでと付け足した。味噌汁を持ち上げていて、俺も真似してグラタンを一口。丁度いい熱さになってる!めっちゃ食べやすいしやっぱり何頼んでも美味しすぎる。 「どうして町に降りるのか、それが君たちの知っているだろうポイントだよ」 「はぁ…」 「黒いに韻を踏む、の韻の字で黒韻(クオン)、またの名を闇に紛れるブラックサウンド。それを彼らが取り締まっているらしいんだ」 「へぇ……」 あの、待って、委員長。そんなにドヤァ知ってるだろぉってキメ顔されてもね、謝るしかないんだけど、正直いうとね、知らない。と言うか、何?取り締まるってことはある程度人数がいる組織って事だろうけど名前が厨二過ぎて考えられ……えっ!中学生で厨二で生徒会で……まさか、マジで? ありがたやありがたや~、その2。逸る心を抑えニヤつく顔を必死に引き締め尋ねる。 「委員長、そのブラックサウンドって、なに?」 「まさか知らないのかいっ!?だいぶ有名だと思っていたのに…僕の思い違い?まぁいいよ、要は大規模な不良グループのこと。それの総長が今の会長だって話」 ふおお!マジでマジだった!!生徒会が不良で総長でブラックサウンドで!これ以上の王道がどこにあるってんだ!ないね!これ以上の王道はもうな…… 「ねぇ!槇野君は知ってた!?有名なブラックサウンド!!」 「あ、あの、俺も知らなくて……すみません」 ……そっかぁ。残念だけど仕方ない。もしかして槇野君が関係してて動揺とか何かしらしてるかと思ったけど本当に知らなそう。これ以上の王道はないかぁ。

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