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第97話
きゃー、雪くんこわいー
ってめっちゃ棒読みなの流石だけどホンット、良いからもう体育館裏とか行って!
どうしてかって?俺を囲んで話すからだよやめろぉぉ!これが一番の理由だよぉぉ!!俺が悪いみたいじゃないかぁぁ!先人切って話進めてるみたいじゃんもういい加減にしてくれぇぇ!!
「っぅお!?吉田さん?」
「シィー」
腕と言うか、体をグイッと引かれ気付けば輪の中から抜け出てた。
「今、上に彼がいる。行ってやれよ」
「え」
上って3階、だよな?なんで生徒会の専用じゃなくてあの部屋に?
考えるよりも先に吉田さんがほら、早くしろと言ってくるし背中を押されるし良く分からないまま歩き出す。そしたら直後に手を掴まれ動けない。
「陽向?」
「玲音、どこ行くの?」
「え」
「今日は夜までに帰ってくる?」
そう言えば、あの部屋にいたり謎の桜渚 雪の部屋だったり寮で寝ることが今週は少なかった。でも今日はまだこの時間だから、午後は出られないかも知れないけど夜までには戻れるだろうと思う。
「夜は俺の話し聞いてよ陽向!」
「あ、うん!待ってるからね」
うひょっ!天使の笑顔眩し過ぎだから!
じゃあまた後で。そう言って手を離した。その後は吉田さんに念のため一度学食を出て裏手から入ってと言われ言う通りにした。いくら学食にいる生徒が委員長たちを見ているとはいえ、パパラッチみたく行動に敏感な生徒は必ずいるはず。
俺の経験……はないけど腐男子の勘もこういうのに敏感なのは何人かいると警告している。
なら行くなよって話だけど、前に約束してるしその話も高橋さんにしちゃってるし…あと、なんかめっちゃくちゃ心配された。
もう一つ言うと、俺も心配してる……
これが噂の、情がわくってヤツなんだろうか?
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