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第101話「親睦会」

待ちにまったゴールデンウイークはあっという間に終わってしまい、まぁ大体の人は嫌がる期間に入ったんだけど、ここ進学校だからいないかな?なんて思ってたらテストいややぁと期待を裏切らないお言葉を大翔からいただきました。 そんな今日は結果発表と、来週の月曜から始まる親睦会の説明の為、全校集会が行われている。 『各クラス、大体慣れてきたところだと思う。しかし学年となると尻ごみしてしまう生徒も多いだろう。夏休み前には球技大会、その後も文化祭や合同の調理実習など控えている我が学園ではいち早く親睦を深めて欲しいと言う願いから、5月終わりから6月初めの約一週間を使い新入生歓迎も含めた会として、サインクダサインを毎年開催している。1年に一度しかないこの機会、是非とも楽しんで欲しい。では、生徒会の諸君、説明を頼む』 『理事長先生、ありがとうございました。では続きまして、生徒会よりサインクダサインの説明をしたいと思います』 久々と言うか、こんなに真面目に話す雅さん初めて見たってくらい出来る大人の男を見た気がする。でもって、気になること言ってたんだけど…合同調理実習ってなに?どこと?学年ごと?それとも全校生徒? あとさ、サインクダサインって誰の考えた名前なの?めっちゃダジャレじゃん!雅さんも生徒会の人も何一つ笑わずに言ってるけど逆に面白いから!ねえ誰か笑ってよ!俺笑い堪えるの無理!! 「ぅぐふっ」 お!良いぞ誰だ笑ったの!!誰だ――って和民君かぁい!!でもありがとう。俺だけじゃなかった。ありがとう。 『新入生の為、説明するが、来週配るこの用紙にじゃんけんをし勝った相手の名前を書いてもらう。用紙にも書いてあるが、じゃんけんの前に必ずサインクダサインと言うように。そして教師の欄も生徒会の欄も勿論ある。名前の数がポイントとなり、最終集計で多くの名前を貰った3名を表彰。また特賞として一位には学食一年間無料と寮の一人部屋移動、または6月からの半年間学園内施設の無料化のどちらかを選べる権利を設けるので、手を抜かず、頑張って欲しい』 え、それマジ? どこかから聞こえたそれにおおマジだ。淡々と返した潤冬さん。シンと聞いていたけど、次の瞬間には体育館が壊れるんじゃないかと言う程に歓声が響いたし俺も漏れず叫んだ。だって半年も無料とか!!無料!?そりゃ叫ぶでしょ!! 『はぁ…うっせえ』 『マイク入ってますよ』 そんな会話が聞こえたけど、誰も気にしてなかった。

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