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第105話

「はい、哉芽」 「ありがとうございます」 サインを書いたところで先生が入って来た。天使の効果抜群で或間君に続き哉芽にもサインしてやったし!!マジ効果抜群で速攻負けてやった!!俺って凄すぎるくらいだし。 「授業始めるから教室戻れえ」 「……」 「なんや玲音、そない凹んでもう腹減ったんか?」 「ちがうやい」 「うおっ、声ちっさ。元気ないやん。ホンマこの短時間で何あってん」 いいんだいいんだ。どうせ俺は一回しか勝てないじゃんけん弱々男子ですよ。これからも連敗記録伸ばすんですよぉ…だ。 勝ってるだけじゃ面白くないし負け記録伸ばした方が逆に目立つし他の人はサイン貰えて喜ぶし万々歳じゃん。もういいし。誰だしこんなイベント始めたヤツ。逆に負けが勝ちみたいなのにしてくれたら俺最強だったしもういいし。 「じゃあ、次の問題わかる人」 いつ見ても思うけど、社会の先生て本職やの付くアレの若頭とかでしょ。背中に何か飼ってるでしょ。この人だけは怒らせちゃいけないみたいなのあるでしょ。 待てまて、逆にめっちゃ可愛いもの好きだってのもいいな。部屋とかぬいぐるみでいっぱいで料理上手で。 んんんっ!彰さんとは違うタイプの冷徹美麗だ。でもって可愛いもの好きって!ギャップと言うかなに?もうこれなんて言うの?尊い?この世は尊い? 「ありがたやありがたや……」 「急にどないした?ホンマ具合悪いなら保健室いこ?」 「ううん、もう大丈夫。この世はギャップで出来てるから」 「よう知らんけど、なんかあったらすぐゆうんやで?」 大翔、ありがとう。 でも俺は本当に大丈夫なんだ。腐男子は妄想に生き、妄想に生かされているから。 九頭竜(くずりゅう)先生も安心して下さいね。貴方には数学の妖精と言われる小柄な彼がいますので。あの人こそ可愛いもの好きで料理上手で部屋も甘い匂いしそうに見えて男気溢れるちょうガサツなタイプですから。貴方みたいな人にピッタリですから。 今度2人でお食事とかどうでしょう。 その際は俺にもお声かけていただけますともれなくお断りして後を追いかけさせていただきます故に。

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