「んー！一日終わったああ！」 「俺、途中ホンマに玲音が心配やったわ」 「ハハッごめんて！」 今は普通やからええけど。大翔は本当にいいヤツだな…言わないけど。 「俺これから部活だから行くな！陽向」 「あ、うん。今日は僕も一緒に行くから、またね」 「また後でぇ！」 陽向はバスケ部じゃないけど、たまにマネージャーの手伝いに行ってる。大丈夫か心配したけど惺士の話しだとみんなの癒しになっていいらしく、中学時代から続いてるんだって。 大翔は例の如く生徒会だし、哉芽に至っては気付いたらいなくなってた。 サインクダサインしながら校内ぶらついてようかな… 「すみません。サインクダサイン！」 「俺？いいよ」 ネクタイの色違うから先輩だな。 手あたり次第声かけて行こう作戦だ。負けても何回も勝負を挑んでいいし勝つまで付き合ってくれるいい人ばかりだ。 「ありがとうございました」 よしよし、これで６人目！ 少しずつ増えていく名前にむふむふ歩いてたらねぇと今度は声をかけられた。 なんだ今の理想の可愛いチワワちゃん声は！？ 「な！？正にチワワ！！」 振り向いた先には陽向と同じかもう少し小さい、でもおめめ大きい唇ぷる艶の男子が。なにこれ夢？幻？もしかして俺ついに２次元に来れた？ 「ねぇ、ぼくとしよ？」 「え？」 ふおお！！可愛いチワワちゃんからのお誘いキタア！マジでその台詞使うんですね！破壊力半端なくて俺の何かが崩壊しそうです先輩！お願いだからその台詞はもっとイケメンで長身で、例えばそう！潤冬さんみたいな人に言って！本当にお願いだから。お願いしますから。マジで。 「こっちで、みんなでしてるの」 「え！ちょっ！意外に力強い！強引！なにこれ俺どこに――」