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第109話
はぁ…誰を呼ぼう。
痛む体をなんとか起し、制服を肩にかける。腕を通す気力はないしあんまり動きたくない。
「和民君かな…」
あの人なら誰にも言わなそうだし今の状況見ても笑って終わりになりそう。
それに…
「あ、もしもし。そう、俺です…はは、オレオレ詐欺です」
案の定電話の奥で冗談かましてくれた。良くわかんない場所にいるんだけど迎えに来て。なんてどこのお姫様だよってこと言ったら周りの写真送ってと言われ、どうするんだろうと不思議に思いながらも他に人はいないし従った。
「オレオンくーん。なんだか美味ししょーなことになってるね」
「ん…あ、わたみく、っ…」
「ありゃー、動けないんだ?服は着れそう?」
待ってる間に意識が飛んでいたらしい。声をかけられ、でもさっきより動けそうになくなんとか無理。言葉にする。
オーケィ。指と返事で示し、ちゃっちゃと俺の身なりを整えおいっしょお!と元気に体を持ち上げられた。でもあんまり衝撃はなくて、慣れてるんだな?っとわけわかんないこと思った。
「僕の部屋でいいっしょ?」
そのつもりで貴方に電話しました。お願いします。
頭も体も預けるとそれを了承と取ってくれたのかそれ以上は何も言わずに歩き出した。
「たぶん動けないとおもっけど、頭上げると面倒が起きるから気をつけてね」
どのルートを通るのかわからないけど、部屋ということは寮に入るということで、大勢の生徒に見られる。下手をすれば今日より酷い目に合う可能性がでるということだ。
「そう、いい子ちゃん」
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