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第111話

なんて答えようかな。もうやっちゃって欲しい。この学園からいなくなって欲しい。彼に言えば想像よりも残酷に幕を下ろしてくれるだろうと思う。その方が今後の生活も安心して過ごせるだろうことも。 「何もしないし、何もしないでいいよ」 「どうして?」 「うーん、どうしても」 「そっ。じゃあ、もう一杯味噌汁のむ?」 「のむ!」 俺はこの言葉を待ってたんだ。 カツオと昆布をいい感じにどうにかして作られているであろう学食の味噌汁、めちゃうまだから。 さっきは悩んだくせに味噌汁の返事は即答か。残念と言いたそうにシャクレて、もう一杯持ってきまーす。と立ち上がった。 パタン、扉が閉まってから10数える。 「…じゅう」 ずーっと考えてた。 もしかしたら、ヒーローが俺のところにも現れピンチを救ってくれるかもしれない。 もしかしたら、俺は王道編入生でゴリラと互角以上に戦えるかもしれない。 もしかしたら。 でもこれはアニメや特撮ではなくて、BLのそれでもなくて、だから誰も来ないし自分で呼ばないといけないのだ。 「でも…」 なんて思ってしまう俺もきっと、彼と同じく変人なんだと思う。 痛いし動けないし部屋に帰れないし人に言えないし、トラウマになってもおかしくないし、泣いて叫んで引き籠ってもいいぐらいだし。 どうする?ってさっきの言葉に甘えて良いくらいだし。 それこそ雅さんにと言う手もあって、贅沢尽くし。 こんなことを言ってもきっと理解はされないだろうし病院行く?と心配されそうだけど、行きつくのはそこなんだ。 「へいおまっちー!」 「ラーメン屋さんかよっ!」 ××× でも、あの頃よりはたぶんまし。

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