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第113話
サイン貰うと言っても生徒会と会えるのなんて奇跡に近いんじゃないの?王道じゃ専ら、滅多に現れない顔も見れないって王族貴族かよ!?って表現されてて、という事はこの超王道に近い学園の生徒会だって……と、4限の最中に思い始めた。
そしたら俺だけじゃなかったみたいで委員長が、どこを探します?と聞いていた。
「会長らはたぶん、あそこやな」
確信があるのか二ッと歯を見せてきてグッと親指も立ててた。俺たちは首を傾けるしかなかった。でも、自信ありげにしかも俺に着いてきな、彷徨えるボーイズ達!みたいな顔をされ、どこぞの海外映画だよその顔腹立つ!と俺は一人で下唇噛んでた。
ムキ―ッ!ハンカチがあったら噛み千切ってるんだからね!
「あの顔、なんか腹立つ」
「え」
俺喋っちゃった!?
慌てたら惺士だった。俺だけじゃなった。惺士だけじゃなかった。あの顔腹立つ。
でも、案外すんなり会えるもんなんだなぁ…。だって、生徒会だよ?なんて思っていながら大翔の後を付いて歩いていれば校舎の裏に回り、林の中をしかし迷いなく突き進み、そしたら知らない場所へ出て、目の前には聳え立つ立派な建物。
「え、何ここ」
「異世界に迷い込んだみたいだな」
「何ゆうてん、ここが生徒会の棟やんか」
「いや、やんかって言われ…ハッ!ここが噂の専用棟!!」
「お!玲音、もう知っとるんか」
ここに来た時ハル先輩に教えて貰った、生徒会の専用棟。どうやらここがそうらしい。
「と言うことは、彼らは元からイベントに参加する気がない。ですよね?篠田君」
「ああ、まぁ。でも、そう言わんといてや、委員長。会長さんらかて、毎日忙しんて」
相手を宥める大翔も初めて見た。さっきの惺士もだけど、なんと言うか委員長って凄いな。人の意外な一面を出させる天才みたいだ。ハッ、それなら哉芽も!?なんて期待を膨らませそっちを見るとどうかしました?と丁寧に聞かれる。しかしそうしていられるのも今のうちだ!いつか委員長が哉芽の裏の裏の裏まで暴いてくれるんだからなああ!
ヒャッホウ!めっちゃ楽しみ哉芽の意外な一面てなに!?俺もの凄く気になるうう!!
「置いてくで、玲音」
「やっべぇ!待って置いていかないで!」
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