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第114話

「すげえ、緊張するな」 「うん。僕、心臓が痛い…」 全員が生唾をのむ中、大翔はなんの躊躇いもなく失礼しまーす!なんて大声で言って扉を開けやがった。生徒会の役員だから慣れているんだろうけど。それでもちょっと待ってよ!みんなの心臓が落ち着くまで!!陽向に何かあったらどうしてくれるんじゃい!!心臓痛いとか言ってるんだぞう!! 「うるせぇと思えば篠田じゃ……チッ」 「早々に舌打ちとは、生徒会長さんとして、どうなんでしょうね?」 「てめえさえいなけりゃこんな態度取らねぇよ」 「ハハッ、僕の所為と?なんて言いがかりなんだか」 「っと!委員長も会長もその辺にしてや!俺らサインもろたら帰るさかい。な!」 委員長は渋々って感じだったけど、惺士と陽向はめちゃくちゃ首振って早く帰るアピールしてたし哉芽はどこ見てるか分からないし。なんというか、なんというか……なんて言えばいいんだ?上手い言葉が出てこないぞ!まあいいや!サイン貰おう―― 「え!いきなり!!」 誰とじゃんけんするかって?そんなのみんなが怖くて後回しにしますって残ってた潤冬さんですが!?まあ俺は色々なアレがありまして怖くないけど大翔は!?大翔は誰としてんだよ!? 一番安全圏そうな伊瀬先輩かああい!! 「……」 「……さいん、くだ、うえっ!?」 「ん?れお――玲音!?」 惺士の声が聞こえたけど助けを求める前になんか突然、潤冬さんに引っ張られてる。 え、ここどこなに!?カーテン抜けたら大きいテーブルとソファがあって、でも足は止まらずどんどん奥に突き進んで。 気付けばこじんまりした場所で止まった。 手を離されここどこなに?ベッド?もしかして寝室?え、でもこんな簡素な部屋が寝室?あ、仮眠室か。 でもなんで?

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