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第115話
「潤冬さん?」
扉の前に立たれてここから出る術を失った。たぶん、鍵も掛けているんだと思う。
「脱げ」
「え?」
「早くしろ」
なになに?これどこの鬼畜BL!?え、こんな性格だったけ?
俺様ジャイアニズム野郎だったけどもう少し柔らかくなかった?気のせい?木の精?可愛い妖精さんですね…?
「自分で脱がねえなら脱がすぞ」
「えっ、ちょっ!やだっやめっ!!」
抵抗なんてしても意味ないのは分かってる。でも、今日はしない訳にはいかない。だって、肌を見られたら…とは言え、力尽くでワイシャツを破り開かれるとなれば意味はないんだけど。
「……」
「どうして何も言わない」
「いつかは消えるので」
「そうじゃねえだろっ!!なんで暴力振るわれてこんなこと書かれて誰にも何も言わねえんだよっ!!何のために生徒会があってどうして教師がいるんだ!!ああ!?」
「別に、俺は……」
それより、なんでこれに気付いたんだろう…
顔は何もされてないし、和民君には何もしないでと言ったのに…
あ。ここ校舎の裏だ。それで見えたのかな。
「別にじゃねえ!ここがどういう学校か知ってんだろっ!?会社を任され、何千人も抱えるそのトップになるヤツが通ってんだよ!まだ高校生だ子供だなんてのは通用しねえっ」
「……」
「何年だ。名前は知らなくても学年は分かんだろ。ネクタイは何色だった」
「言ったら、その人はどうなりますか」
「は?んなもん退学処分に決まってんだろ」
そうですか。頷いて、ネクタイの色を2色。俺とは違ったから、2・3年生は確定。
俺が今言おうが言うまいがきっと、彼らを見つけてしまうだろう。それならば、時間は短い方がいい。
退学処分に決まってんだろ。彼の言葉に、冷たい対応ですね。返しそうになった言葉は飲み込んだ。
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