142 / 291

第141話※

「はぁ…また貴方ですか」 「俺の台詞取ってんじゃねぇ、クソガキ」 誰かと話してる声は聞こえてるけど右から左で内容は入ってこない。何より指はそのまま中にあるから会話してるだけでちょっとずつ動いて声が出そう。もう出てるかも。 「それより、大翔はどうしたんだよ」 「あぁ、篠田君なら飽きたと言って逃げていきましたが」 「ったく、あのバカが…なんの為に…」 「ぁ、んンぅ…」 「お目付け役、残念でしたね。まぁ、そのおかげで僕はこうしてる訳ですけど」 体はそっぽ向いたまま指がクチュ…とまた動き、敏感なまま治まってないから肌がビクビク震えだす。 もう2人だけじゃないのに、抑えられない…もっと欲しぃ… 足りない刺激に指の埋まるそこに自分から手を伸ばし奥まで入れてって相手のを掴む。すると気付いたのかこちらを向いた。 「はは、君、本当にいいよ。どうですか?貴方も加わります?月極先生」 「加わんねぇよ。おら、指抜け」 「ぁぁっ…!」 いきなり抜いちゃ、ヤダ。 何回もイッたのにイキ足りないからなんか寂しい。 「ったく、お前も良い声出してんじゃねぇよ、羽葉。起きれるか?」 「ぁ、ふ…」 「彼のことならこの後、僕の部屋で世話するので帰っていただいて構いませんよ、月極先生?」 「構うわ!来年の会長候補が教室でナニしてたとか大問題だからな!」 「ふふ、では是非副会長には羽葉君を」 体を起こし、先生は甲斐甲斐しく俺の服を直してくれるけど、余りにも丁寧で生地が触れる度に擽ったさが口まで上がってくる。 「ん、んん…」 「はぁ、お前、軽口叩けんのも今のうちだからな?」 「なんのことです?」 「お前の弟から、兄さんが何かしたらすぐに連絡下さいね。そう仰せつかった」 「なっ!」 「でもって、もう連絡入れたし彼の入門許可も貰っている」 チッあいつ余計なことを。 べちょべちょの手もそのままに鞄を引っ掴んで脱兎の如く教室から出て行った。あんなに焦ってどうしたんだろう…?未だに頭はぽやぽやわたあめ状態で分からなかった。

ともだちにシェアしよう!