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第143話

まあそう経たないうちにあいつは来たよな。でもってやっぱり俺のこと勘違いして目くじら立ててきたが彼を目の端に捕らえた途端、手を引っ張ってでもまだ立てず相手にダイブその二をした。 驚いたのはその後で、自分の制服がどうなろうがお構いなしの抱っこちゃんで持ち上げ、鞄も腕に掛け教室を出て行った。 「え、何あいつら。付き合ってんのか?つーか、え、抱っこちゃん?ぶふっ!あいつがっ?」 その光景が余りにも滑稽でツボに入ってしまい笑いが止まらなくなった。 やべーやべー言っていたらカラカラと扉が音を鳴らして、腹を抱えながら見れば彼が覗いていた。 「……」 「ふぅ…お前か。入って来いよ。こんな教室でも良ければ」 「……あの、ごめんなさい」 「怒ってねぇよ。俺もあいつも」 申し訳ないと恐るおそる入ってくる彼に手を伸ばす。わしゃわしゃ、頭を撫でるともう一度小さくごめんなさい。聞こえ、今度は何も言わず手を動かすだけにした。 「山成も弟の話したら相当焦っていたから、暫くは大人しくしてんじゃねぇか?」 「そう、だといいけど…」 「相変わらず、心配性だな。まぁ、そのおかげで今回は……ギリセーフ?あとは嵩音が何とかするだろ」 「あ、やっぱりそうなの?」 「いや、知らん。お前から見てどうなんだ?」 「え。仲は悪くないと思うけど、断定は…」 だろうな。入ってまだ2ヶ月も経ってない。それで付き合ってるなんて言ったら急展開過ぎてビックリして禿る。禿ないけど禿るは。禿ないけど。 「まぁ、俺らみたいに出会って数ヶ月なんて、滅多にいねぇだろうな」 「めっちゃビックリしたんだから!」 「面白かったなぁ。あの時の挙動不審のお前」 今でも忘れらんねぇ。 冗談めかして言ってやれば真っ赤な顔向けてきて、余計に笑えた。 でも、その後ビックリさせられたのは、俺。 ××× 誰なのかは、まだ秘密

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