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第144話
ガラッ!と勢い良く開いた音に驚くよりも先に「おいっ、変態教師!」怒鳴り声が響き、次には見慣れた人影がズカズカ入って来た。
そのままこっちに猪の如く突進してきてツッキーの胸倉を掴む。
「ぅわっ」
俺の背に手を回して支えていてくれたのに猪の所為で体はバランスを崩し、足も未だ生まれたてのバンビだから重力に従うしかない。床に座るしかない。
「おい、だ」
「チッ!おら、行くぞ!」
「え?ちょっ!わっ、わわっ!!」
乱暴に腕を掴まれ立たされ、でも無理だしかと思ったらなんか抱えられてて気づいたら教室を出ていた。
うわっ!顔見られる!!
ギュッとしがみ付き肩に顔を押し付けて見えないようにする。もうこれ以上、あんなこと起こって欲しくない。防ぐにはこうするしかない。
「安心しろ。もう誰もいねぇよ」
「……でも…」
「また、なんて作んねぇしさせねぇから、腕緩めろ。くるしい」
少し考え、腕だけちょっと緩める。肩がなんだか痛くて、相当な力でしがみ付いてたんだって実感した。
……なんかごめん。口には出さないけどね!ガチャン。
ガチャン?なんか物凄い怖い落としたんだけど、なに?どこに連れていかれるの?なに?牢屋?え、俺牢屋に入れられるの?まじ!?こわっ!もう帰る!と言うかもう顔上げていい?大丈夫??
「あ、あのっ!……あ…?」
「なんだよ急に」
「え、急にはこっちの台詞…と言うか、ここ、どこですか?」
「は?いつも来て…いや、こっちからは初めてか?いや、二度目だな」
「いやいやいや!初めてですって…え?」
顔を上げたらそこは…全くいいもんではなく、白い手摺りと階段。壁まで白くて逆に落ち着かないそこをなんの躊躇いもなく進んでいく。
踊り場を過ぎ更に階段を進むと左右に扉が現れた。
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