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第152話

彼らの登場と宣言により益々ザワつく体育館内は最早収集がつかず、静かにしなさいと言う先生や生徒会の声など届かない。そして暴言を叫ぶ生徒まで出てくる始末だ。 なにこれどうすんの!?と言うかなんであんな騒ぎになるようなこと態々いうの?風紀委員大丈夫?治まらないよこれ。 また周りを見ていたら2・3年生の様子が可笑しくて……と言うより騒いでいる大半は1年生で、あとは一部の上級生。 どういうことだ…? ふとステージに目を戻した瞬間、スピーカーから体育館が揺れそうな程の大声が響いた。 「……、俺様に意見してんじゃねえ!!」 「っ」 「ひっ!」 ビリビリと体に伝わる声の波動。と同時に静まり返る空間。 生徒全員が絶対王者を認識した瞬間でもあった。 ふひょっ!生徒会もだけど風紀委員長様キタ!!王道学園を支配する二大王者!でもあの人達の方が先輩だから力関係的に考えると生徒会は二番目だな。 敵対してるのもいいけどこの小説と違う、ちょっと王道じゃない感じめっちゃリアル。いや、小説よりもなんか凄い気が……奇なりってマジだは。 「集会はこのまま続けろ。羽葉玲音、お前はこのまま俺たちと風紀委員室に来い。以上だ」 叫んでからこちらを見続ける風紀委員の彼を俺も見返して、ふっと視線が外れステージから降りたタイミングで俺もその場に立ち歩みを寄せる一歩を踏み出す。 なんかこの、俺の周りだけシリアスですって感じヤバい。テンション上がる。なにこれ俺今からどうなんの?と言うか誰か俺のコマンド見える人いない?何を言ってどう行動するのが正解?こんな展開あんまり読んだことないから全然分かんないんだけど!!ねぇ!ゲーマーさん!……で、オタミ君の顔出てくるの自分でウケる! 「玲音」 「陽向、大丈夫だよ!今日中には戻るから!」 「あ、うん…」 でもそう言って帰って来たこと、ないよね…… 最後の呟きは届かないまま俺は彼らの元に向かう――なんてね!静かすぎてばっちり聞こえました。なんか雰囲気的に何も言わないのがいいかと思ってと言うかタイミング合わなくて何も返せなかった。ごめん陽向。今日中必ず帰るから!今日は約束守る! 出入り口が近くに見えた頃、パシッと誰かに格好良く腕を掴まれ、うひょひょっ!なにこれめっちゃ胸厚展開!誰!! 「委員長っ」 あ、やべ。 シリアス気分なのに声のテンションミスった!なんか鼻息荒くなっちゃった!テイク2欲しい!させて!無理!! 「彼らと知り合い?まさかこんなにデカい隠し玉があったなんて」 んんんっ! なにこれめちゃくちゃ感動してる。俺、こんなこと言われてみたかった。 生まれてこの方、特に何もない人生でしたがたった今、二次元の主人公になった気分です。 ありがとう。 山成 恵に、ありがとう。

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