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第156話
彼が憶えていないなんて、有り得ないよ。
言ったのは長髪で、続けてこれ以上失礼なこと言わない方がいいと言った。
「気にしてないので大丈夫です」
「でも」
「それに、貴方たちの言うあの時のレオンであってますよ」
「んだよやっぱりそうじゃねぇか。早く言え」
人違いでないと分かった途端にまたふんぞり返る金髪は旧友にこんな所で再会出来るなんて嬉しいばかりじゃねぇか、なぁ?隣に言い、長髪も早く帰国して正解でしたね。そう返していた。
「………」
「だがレオン、お前向こうにいた時飛び級で高卒認定受けてなかったか?」
「我もそのように記憶してます」
2人の言葉にあぁ、受けましたよと頷く。
もう気付いてると思うけど俺は日本で言う小学校6年の歳まで海外にいた所謂帰国子女って奴で、その当時に高卒認定試験も受けている。でも別に飛び級だなんだは向こうでは極一般的なことだったし帰国子女だってこの学園には大勢いる。
現に目の前の2人も帰国子女……と言うか国籍は日本ではないと思う。
「受けたのに、ここにいる理由はなんだ?」
「知らないんですか?大学入試を受けるには18歳以上でなくてはならないんですよ」
「しかし一部の大学は17歳以下でも試験を受けられたはず」
「まぁ、大学に行かないにしても、親の会社は?継がないのか?」
「家は大企業ではないですし、後継ぎも俺ではないので不要なんです。それに日本に国籍がある以上働く為に高卒大卒は必須。で、矢継ぎ早にここに編入しました」
取り敢えず中学も近くの所に通いその次をどうするかと考えていた時、ここを薦められた。
雅さん達もいるし王道学園だし。で、即決したんだ。
哉芽と話した時に言ったのはこういうこと。
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