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第158話
「クソつまんねぇこと抜かしてんじゃねぇ」
首根っこを掴まれ強い力で後ろに引っ張られ尻もちを付けばカチンと扉の鍵が締められた。振り返る金髪は分かり易く怒っていた。
「ランディ!?」
慌てたのは俺ではなく長髪の方。でもって、俺に手を出さないよう間に入って来た。もう見上げるしか出来ないけど割り入って来ないでも大丈夫なのに…心の中で思い、けど口には出さない。俺の中のツッキーがまた守って貰っといてとギャーギャー煩いから……
「どけ」
「出来ません。あなた、何をする気で?」
「さぁな。良いからどけ」
「尚更出来ません」
「風紀委員が風紀を一番に乱すなってのっ」
突然現れた声の人物がパコッパコッと見上げる2人の頭を丸めた紙で叩いた。
え、なにこれ急に誰?と言うかそんなことして大丈夫?この人こそ次の標的になるんじゃ…
「なにすんだっ!!」
ほらやっぱり次にな――
「だからうっさいっての!」
「うぉっ」
……お、お強い。
普段こんな風に見えなかったけど、いや俺の読みは合っていたのでは?
だって目の前には数学の妖精と言われる小柄な彼がおりまして。
九頭竜先生のお相手には、可愛いもの好きで料理上手で部屋も甘い匂いしそうに見えて男気溢れるちょうガサツなタイプの彼が……なんて想像していたその本人が。体力も権力もある金髪たちの頭をなんの躊躇いもなくパコパコと。
「んでお前がいんだよっ!生徒会顧問だろ!」
「風紀にランがいると分かっていて生徒会になんていられるか。月極に代わって貰ったんだよ」
「ハァァ…最悪」
「今年も一年宜しくな。ラン、ソン」
話から行くと、去年まではツッキーが風紀委員の顧問だったってこと?でもこの問題児が風紀委員になるから今年は入れ替わった。そういうことですね?
んんんんっ!なにこの高設定!と言うことはアレでしょ。この妖精は問題児を抑えられるってことでしょ最強かよ。最高だよ。ウサギの皮を被った狼って?そう言う事でしょ。もう最の高。何度でも言うから。最の高。最高。
……うん。把握した。
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