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第163話
「行け!フリョーボーイ!……あれ?誰もいない……」
気付いたらなんか良く分からない廊下に一人だった。振り返ったら扉があったからたぶんきっとこの中にいたんだと思う。いつの間に出たのか全然覚えてないし中はどんな感じだったんだ?と開けようとしたら鍵がかかってたからもしかするとさっきのことは全て夢だったのかも知れない。
俺はいつから夢を見ていたんだろうか……
少し怖いことを考えながらまぁいいや寮に帰ろうと歩いていればその途中であの人に出会った。
えっと、眼鏡の生徒会の…ヤバいど忘れした。
「あ、どうも…」
よし。この言い方ならちょっとシャイな生徒でイケる!
咄嗟の言葉に俺の語彙力良くやった!自分を褒めてやりたいです。内心喜びながら少し見上げる。
「こんにちは、羽葉君。風紀委員はどうでした?」
「ぁっ、いえ、あの…お、断り、しました……」
目の前の人に悪いことをしたわけでもないのに目を合わせていられず下を向く。
「本当ですか?良くオーケイ貰えましたね」
「えっと…貰えなくて、その……逃げてきました」
「ハハッ凄いね。あの二人から逃げられたんですね」
「あ。えっと…ゆ、夢かも知れないんですけど、龍日さんて人に助けられて…?」
「りゅうび…?もしかして、紺屋嶋 龍日に会ったんですか?」
そう言いながら急に険しい顔をした。
あ。名前思い出した。伊瀬昂科先輩だ。
「伊瀬先輩?」
「あぁ、いえ。お気になさらずに」
「はぁ、はい…」
気にするなって方が難しいでしょ。でも、何も聞かないに徹して仕方ないからではまた。と別れた。
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