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第166話
あれ?そう言えばどうして伊瀬先輩はあの場所にいたんだろう。
ふと疑問に思ったのは寮のトイレに篭った時だった。
ビコーズ?何故ならあの場所に生徒会はない。
「……かんっぜんにうつった!」
「何がうつったの?」
トイレから出ると丁度良く陽向もお風呂から出てきてほかほかゆげを纏っていた。
「え、ううん。なんでもないよ!」
「……」
「………陽向?」
どうしてか返事をしたら急に両頬をぷくっと膨らませ、俺の腕を掴むと見かけによらず力強い。うえ!?驚くと同時にギュッと更に力が籠りリビングに連れられる。
そこ、座ってて。言われた通りソファに腰かけ暫く待っていると紅茶セットを用意し戻ってきた。
ティーカップに目の前で注ぎ入れられ、蜂蜜とミルクを加えはい。手渡された。
「今日はキャンブリックティーだよ。甘過ぎたらごめんね」
「ううん、甘いの好きだから嬉しい」
「うん。僕と同じくらい、玲音も甘いもの好きだったね」
「……んくっ、はぁ…美味しい…」
一日の終わりに陽向と紅茶を飲むのがここに来ての習慣になり始めたのはいつからだったかな。
でも今日みたいに強引なのは初めてで、正直戸惑った。だけど陽向に変わったところは見受けられない。
だから気付かないふりして待ってみる。
「……玲音、風紀委員になるの?」
あ、きた。
二口目に差し掛かった時、落ち着いた声で問い掛けられた。
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