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第170話
「いやいやいや!そんなに見つめられても俺も知らないしそもそも会長の兄弟じゃないし!!」
じぃ……3人からの熱い視線になんとか耐えているとブフッと突然惺士が吹き出した。
あ、こんな笑い方もするんだ。呑気に思ってたけどよくよく考えてみればこのシリアスっぽい空気で吹き出すのって可笑しいし意味が分かんない。
「……え?なんで吹き出したの?」
「わははっ!マジかよ気付いてねぇ!」
「ぶふっ!あかんわツボッた!アハハハッ!」
「え、2人ともどうしたの?」
俺と陽向と哉芽の3人が今、置いてけぼりを食らっております。未だゲラゲラポニ―と笑う2人。一体どういうことなのでしょう?
少し前のあの疑いの熱い視線からのこの笑い。おや?なんだか少年誌で見たことのあるようなこの展開だ。俺はふと、思いました。いやいやまさか。そんなことを思いながら、あることを口に出します。
「……まさか、嵌めたな?」
大翔はあり得るかも知れません。しかし、惺士まで。こんなことはないだろう。俺はそう思いながら言ったのです。するとどうでしょう。あっさりと返してきたのです。
「やっとか!アハハッすげぇ真剣な顔してっからよぉ」
「せやで!ぶははっ!そもそも最初っから玲音が兄弟やなんて思っとらんちゅうのっ」
「え、兄弟じゃなかったの……?」
「ひなたぁぁあはは!マジかいな!純粋すぎんでホンマァアハハッ!惺士しっかりせな!」
「いや、これが陽向だから変える気はない」
「こっちも真剣になりよった!」
やはり俺を置いて話をする2人に遂に俺も限界です。目いっぱい空気を吸って一思いで言ってやるので――ええい、じゃかあしい!!
「俺を置いて話をするんじゃねぇええい!どうして嵌めた俺を輪に入れないんだっ2人して盛り上がりやがって!クッソ羨ま寂しんじゃぼけえええ!!もう知らない!帰る!さよならまた明日さようならぁっ!!」
「おいっ玲音!」
「玲音まちぃなっ!!」
後ろから声がしたけど振り向かず立ち止まらず扉まで走る。
でも扉を開ける前にパシッと手首を掴まれ後ろに引かれてしまった。
×××
胸アツ月9展開
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