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第172話
寸劇のあともツッキーがどうしたあの番組がなんだと話していて、当初何を議題にいていたのか忘れ気付けば夕飯の時間で、5人でそのまま食堂に来た。
こんばんわ!とウエイターさんに挨拶して其々注文して、ご飯が来たところまでは良かったんだ。いや、サバの味噌煮を半分食べたところまでは良かった。味噌煮もこれまた本当に美味しいんだ。噛むたびにジワァッとサバの油と味噌で口いっぱいになって!
もう一口食べようとした時、突然悲鳴で視界が揺れた。
………視界は大袈裟だったな。でも視界も揺れそうなくらい食堂が賑やかになったのは間違いない。
何々どうしたんだよ!?俺らも騒いでいると可愛いチワワちゃん声が答えを教えてくれた。
「副会長様よ!!」
「ちょっと屈んで!僕が見えないでしょ!!」
「いたっ 足踏まないでっ」
「今日はお一人様…?」
成る程。
眼鏡を上げ直せばカチャッと音が鳴る。
「そう言うことか」
「何が?玲音、急にどうしたの?」
「陽向、俺は分かったんだよ。この騒ぎの正体が」
一呼吸置くのは探偵物の常套句。
ふっと鼻で笑ってやり言ってやるんだ。そう、これは俺の最大の見せ場。
「「暁胡さん(副会長さん)」」
「……え、陽向さん?あの…俺の見せ場で…」
まさか陽向に限っての事態に戸惑う俺に今度は惺士が、玲音後ろうしろ!なんて古いギャグをかまして来て更にえ?ってなったしもしかして昭和生まれなのでは?とマジマジ見てしまって……
え、後ろ?
待てまて、落ち着け俺。でもって取り敢えず惺士も落ち着け。そんな恐ろしいものを見るような目で俺の方を見るんじゃないよ。
まさかお化けやジェイソンみたいなのがいるわけでもないだろうし。
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