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第183話

「はぁ…」 寝ているのに起きているみたいにずっと優しい声がふわふわ耳に響いて、温かくて柔らかい。 俺、これ知ってる……あの時は真っ暗ではなかったけど今みたいに優しい熱っぽい声が触れ、背中とか腰の辺りがぞくぞく震えた。 「ぁ…んぅ…じょうず…」 たまに顔にも柔らかいのが触れもっとって首を伸ばす。するとさっきよりも長く触れられて、でもなんでかその場に止まってないから擽ったい。 腰のぞくぞくもさっきより増してきた気がする。なんか、出したい…… 「ふっ、ぁ、でる…」 「れおん、イキ、そう…?」 「っは…は…」 呼吸が苦しい。熱も上がっている。勝手に動悸も激しくなっていて、そしたらぐちゅぐぷっと急に耳に音が入って来た。 なに?頭まわんない。 どうしたらいいのか分からず、でも嫌な感じではない。寧ろ逆に良い。気持ちいい。 このまま身を任せていればいいんだ。 ぐちゅぐちゅを聞きながら悪いことではないと安易な結論に至り浅い呼吸を続けて、熱いのを少し我慢して。 あっ、もうダメ―― 「あぁっ」 「寝ながら、イッちゃって、可愛い…ん、私もっ」 顔に触れていた熱も少し震えそれからはぁ…とゆっくり風がかかる。 なにかを出せた所為かふわふわしていた頭はさっきよりも落ち着き目を開くとぼんやり誰かがいたのが理解できた。 熱くて震えて柔らかくて、今がいつなのか夢なのかどうか区別がつかず、ふと1人部屋に人がいるわけない。そうかこれは夢だ。 また理解したけどその事実に、ならばもう少しだけここにいさせて欲しい。手を伸ばせば触れそうな相手を思い呼んでいた。 「しゅん――」 伸ばそうと手を動かせば触れる前に体に強い衝撃と、急な熱の放出。 一気に覚醒した頭と体で状況把握に努めればベッドにいて、目の前には上半身を起こし両手をこちらに伸ばし肩を何度も上下している暁胡さんがいた。 明かりの下なら蒼白していそうな、はたまた驚いているような表情だった。

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