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第8話
どうしよう、めちゃくちゃ恥ずかしい。いい歳した男が何恥ずかしがっているんだって話だけれどアキくんの顔なんて見れないし、赤くなっているであろう僕の顔を見られないようにとにかく小さくなるのは仕方ない。
「ケンジさん、ちゅうしてみていい?」
彼の体温を感じて、体の斜め上から落ちてくる体に響く声にドキドキする。それに子供に話しかけているのかってくらい優しい言葉に追い打ちをかけられる。
「ねえってば」
もうなんだよそれ。誰に言ってんだよ。
「とりあえずほっぺにちゅってするだけだからさぁ」
恐る恐る指の力を抜いてゆっくり彼を見上げると、目を丸くしたアキくんがいた。え、なんでそんなにびっくりしてんの?
「あの……んぐ」
いきなり両手首を強い力で掴まれて、僕の唇に彼のそれが重なる。
「ちょ、あ、ん、ふ」
ほっぺにちゅーじゃないじゃん、と抗議しようと開いた口にぬるりと熱くて厚い舌が割入ってきた。舌が絡め取られて歯の裏を舌先でなぞられ、僕はその動きに付いていくのに必死だ。肩を押されて抵抗すること無く狭いソファーの上に後向きに倒れた。
小さく音を立てて離れた彼の唇が今更僕の頬に軽く当てられる。
「ケンジさん、可愛いね」
耳元で低く囁かれて、体の奥がじんわりと熱くなる。
「……目、おかしいよ」
そう返せば、瞳を揺らして優しく笑う。
余程君のほうが可愛いよ。
彼の重みが気持ち良い。何度も角度を変えて重ねられる唇が熱くて、呼吸をすることも忘れそう。力が抜けた僕の手を離して腕から肩、脇から脚へと彼の掌が僕の体を辿る。
「おかしくない、可愛い、」
彼の硬くなった性器を脚にわざと押し付けられて、僕もゆるゆると高められていたソレに熱が集まっていく。
僕の太腿の内側から撫でられて裏筋をズボンの上から擦られる。彼の掌と布が擦れて、徐々に恥ずかしさよりも気持ち良さが勝ってきているのがわかる。次第に揺れる腰や漏れる声が我慢出来なくなってきた。
「可愛い、し、……エッチ」
前髪から覗く彼の瞳に囚われる。
「んっ、ふ、あっ」
きっともう我慢汁でぐちゃぐちゃになっているであろうソコを直に触って欲しい、まで考えるようになって。酔っているのを理由に彼の手首を掴んで導いた。
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