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第9話
タガが外れたらしいケンジさんが。
「んっ、は、あぁん、あっあっ」
俺の手を使って自慰をしている、とか。
(エッチすぎてどうにかなりそう)
「も、すこし、つよくにぎっ、て、」
両膝を立て手の動きに合わせて揺らめく腰、ソファーに広がる髪、細めた瞳にそそられる。言われるがまま少しだけ力を込めると、上から重ねられた彼の指に力が入るのを感じた。
「気持ちいい?」
「ん、すっごく、いい…、あ」
「ん?」
「アキくんが、嫌じゃなけれ、ば……素股、とか、どうですか」
「えっ」
一度タガが外れると。
ケンジさんは随分大胆になるようだ。
「嫌なら、んっ」
深くキスをして、彼の性器を擦り上げながら2人分のズボンを片手で剥いでいく。
ちょっと煽りすぎだよ、やるに決まってるじゃん。
外気に晒されたソコは波打つ程に震えて、先端は赤く熟している。
「ほんとはね、後ろでもいいんだけど…暫く使っていないし」
上半身を上げて俺のと重ねてゆっくりと触る彼の指使いに翻弄される。
「男の経験、あるんだね」
一瞬手の動きを止めた彼に、しまった、と心の中で舌打ちをした。
「1度は結婚してみたんだ。もしかすると気のせいかもしれないって。でも気のせいじゃ無かったのがね、その時はすごくショックだった」
一呼吸置いた彼は自分の太腿に俺の性器を挟んで悪戯っ子のように笑う。
「どう?」
「えっろい」
見た目に反してふわふわな太腿に擦りつけるとお互いのモノが緩く刺激し合う。イくには物足りないけれど気持ち良くてぬるま湯にでも入っているかのように心が満たされていく。
「僕で、エロいと思えるのなら……っ、才能、あるね」
「何の才能ですか」
「男と寝れる、才能」
ふふ、と笑って更に脚で締め付けられる。その間を出入りする俺の性器は何だか間抜けだけれど、本当にしているみたいに彼が息荒く喘ぐものだから俺も徐々に昂って腰を打ち付ける動きが早くなる。
「俺、あんただからこんなに興奮してんだけど」
張り付く髪が鬱陶しい。頬を汗が流れていく。
「それはうれしい、かも」
そう言って本当に嬉しそうに笑うから。
(ズルいよなあ)
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