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二人だけの世界
【継side】
「お次の二名様お待たせしました」
「はーい、ありがとうございます」
係りの誘導に従って、創がオレの手を引いてゴンドラへ先に進んだ。待ちきれないのか?ああもう、可愛いな!
足元に気をつけてくださいね、なんて声かけてくる。それはオレの役目なんだよ邪魔すんな!
むかつくからオレが先に乗り込んで、中から創を引き上げるように腕を引いた。ガチャンと音を立てて閉まる扉を確認して、どかっと座る。
面白くない。
「継、だっこして?」
そんなオレの態度に気付いたのか気付いてないのか、創が両手を広げて微笑んだ。
くそっ、それに弱いの知ってるくせに!するけどさ!
「ん、来いよ」
ぱしぱしと膝を叩いて呼び寄せると、そこに跨って創が座る。もちろんオレの方を向いて。
すぐに両手を首に絡めて抱きついて来るから、オレも創の腰を引き寄せるように抱きしめた。
「どうしたの?」
「別に。創が可愛いから悪いんだ」
「あははっ、何それ」
笑われたっていい。こんないつ来るかも分からない遊園地のスタッフに妬いたとか、どんだけ創の事好きなんだよって話しだよな…
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