219 / 507
誰にも見せない触らせない
【継side】
帰りの電車は、休日の夜だったからかそんなに混雑はしていなかった。
ジャスティン、大介、創、オレの順に座ると、すぐに隣でこくこくと頭を振るのがわかった。
各停で30分くらいか?せっかく座ってるんだし、寝せてやりたい。
「創、起こしてやるから少し寝てろよ」
「んー、…」
「ほら、寄っ掛かっていいから」
少し体をずらして創の頭を凭れさせてやると、すっと体重を預けてきた。この瞬間がすごく好きだったりする。なんか、全面的に信頼されてるって感じがするから。
肩に感じる重みが、だんだんと増してくる。
そっと手のひらに力を込めてみれば、一瞬だけきゅっと握り返してくれて。でもすぐふにゃりとそれが抜けたみたいに、ゆるゆると指が開いていくのが可愛い。
さらさらと流れる髪を反対の手で梳いてやると、程なくして小さな寝息が聞こえてきた。
「…愛してる」
創にだけ聞こえるように小さく囁いて、その髪に口付けた。
その向こうには同じ事をしてるヤツがいて、なんか笑える。
ともだちにシェアしよう!

