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誰にも見せない触らせない

【継side】 帰りの電車は、休日の夜だったからかそんなに混雑はしていなかった。 ジャスティン、大介、創、オレの順に座ると、すぐに隣でこくこくと頭を振るのがわかった。 各停で30分くらいか?せっかく座ってるんだし、寝せてやりたい。 「創、起こしてやるから少し寝てろよ」 「んー、…」 「ほら、寄っ掛かっていいから」 少し体をずらして創の頭を凭れさせてやると、すっと体重を預けてきた。この瞬間がすごく好きだったりする。なんか、全面的に信頼されてるって感じがするから。 肩に感じる重みが、だんだんと増してくる。 そっと手のひらに力を込めてみれば、一瞬だけきゅっと握り返してくれて。でもすぐふにゃりとそれが抜けたみたいに、ゆるゆると指が開いていくのが可愛い。 さらさらと流れる髪を反対の手で梳いてやると、程なくして小さな寝息が聞こえてきた。 「…愛してる」 創にだけ聞こえるように小さく囁いて、その髪に口付けた。 その向こうには同じ事をしてるヤツがいて、なんか笑える。

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