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誰にも見せない触らせない
【ジャスティンside】
日本の電車は乗り心地が良い。つい睡魔に負けてしまうのも頷ける。
隣に座ったダイスケが、さっきからかくかくと頭を揺らして必死にその睡魔と戦っているようだった。
そっとその頭をオレの肩に凭れさせてやれば、少し身動ぎをして居場所を確保する。頭をぐりぐりと肩に擦り付けて、落ち着いたのかそのまま寝息を立て始めた。
さらりと揺れる黒い髪に唇を寄せて、柔らかな頬に指先で触れると、ふわりと微笑んでくれだ。
「…オレにだけ笑ってほしいだなんて言ったら、ダイスケはどう思う?」
ほんとはどこかに閉じ込めて、誰にも見せたくないし、オレ以外の誰かがダイスケに触れるのも嫌だ。
けれど現実にそれは不可能なのもわかってる。
だからせめて、腕の中にいる時だけは、オレだけを見ていて…
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