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その手が掴むものは
【ジャスティンside】
「ばっ、…!」
数秒考えたあげく我に返ったように一瞬で真っ赤に染まった頬が愛しくて、そっと撫でる。跳ね除けようと伸ばされた手を掴んでそのまま床に縫い止め、ダイスケに覆い被さる様に顔の横に腕を立てた。
その瞬間に、びくりと震える体。
「っ!な、に…」
「……………………なんでもない、」
危ない危ない、落ち着け自分。待つと決めたんだ、この手はなんだロー・ジャスティン。
ほら見ろ、ダイスケが怯えてるじゃないか。そんな顔させたいんじゃない。
「……もうちょっと、待てよ、な…」
「違う、今のはオレが悪い」
姿勢を戻そうと上げた腕を掴まれて、下からじっと見つめられる。
いや、ちょっと、見過ぎです…
「…いつか、こうやってお前の事、ちゃんと捕まえるから」
「ああ、わかってる」
その手が掴むのはオレなんだと思うと同時に、この可愛い恋人に捕まって逃げられない自分を想像したら、そんな未来を一緒に創れる事がたまらなく嬉しかった。
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